家族の生活リズムが合わないと、一緒に暮らしているのにコミュニケーション不足に陥ることもありますよね。この記事では、生活リズムのズレに悩んでいる夫婦や親子向けに、コミュニケーションを増やしたり、一緒に食事するためのコツを紹介します。
- この記事でわかること
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- 生活リズムのズレによるデメリット
- 家族のコミュニケーション不足の解消法
- 生活リズムが合わない家族との折り合いのつけ方
- 夫婦で家事・育児を分担するときの考え方
生活リズムのズレが招くストレスや家族の不仲
家族で生活リズムが合わない場合、ストレスや不仲を引き起こすことがあります。それは生活リズムが合わないことによって、次のようなことが起こるためです。
- 生活リズムのズレによるモヤモヤ
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- 一緒に暮らしているのに、コミュニケーションが少ない
- 家族の生活音によって、睡眠が妨げられる
- 料理や掃除など家事の分担が不公平になる
- 子どもの送迎や保護者面談などの分担が不公平になる
- 犬の散歩などペットのお世話当番が偏る
- 家族が抱えている悩みを共有できず、サポートし合うことが難しい など
生活リズムが合わないと、食事の時間や就寝の時間にズレが生じます。すると一緒に過ごす時間が少なくなったり、生活音が気になったりするようになります。
また、食事の準備やゴミ出し、洗濯などの家事分担が偏ることもあります。たとえば朝のゴミ出しや日中の洗濯は朝型の人が担当することが増えるなどです。子どもがいる家庭では、朝に保育園や幼稚園へ子どもを送るのは朝型の人が担当するようになりがちですよね。
生活リズムが合わないことで、コミュニケーションが減ったり家事などの不公平感が出たりすると、家族へのモヤモヤや不満が溜まってしまいます。
家族の生活リズムは合わないのが普通なの?
家族で生活リズムが合わないと、コミュニケーション不足やストレスなどの課題が発生することがありますが、家族だからといって生活リズムが合うとは限りません。就業時間や体質の違いが発生するのも自然です。
- 生活リズムのズレが生じるきっかけ
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- 元々、体質が朝型と夜型とで合わない
- シフト制の仕事で、就業時間や休日が合わない
- 就職や転職で、就業時間のずれが生じる
- 子どもの場合、進学のタイミングで生活リズムが変わる
- 病気の発症により、生活リズムが変わる
- 家族の介護が発生し、生活リズムが変わる など
朝早くに起きるのが楽な朝型、夜に活発になる夜型など体質は人それぞれです。無理に生活リズムを変えるのは簡単ではありません。夜型の人が朝早くに起きても強い眠気に襲われたり、朝型の人が夜更かしをすると睡眠の質が低下するなどのデメリットを招きます。
仕事の業種や職種、職場によって、始業時間・就業時間は異なります。シフト制の職場であれば、いつも変わらず一定のリズムで仕事をするというわけにもいきません。以前は夫婦で似たような時間に出社・退社できていたとしても、どちらかが転職をしたり異動をしたことで生活リズムにズレが生じることも珍しくないのです。
子どもがいる家庭では、進学のタイミングで生活リズムのズレが生じることがあります。学校の始業・終業時間はもちろんですが、部活動を始めたり塾に通うようになったりすると、子どもの生活リズムに変化が生じるでしょう。
また、病気や介護などによって生活リズムがガラッと変わることもあります。このように、就職・転職、進学やライフステージの変化など諸々の事情をきっかけに、生活リズムのズレは誰にでも発生しうるのです。
家族の生活リズムが合わないと離婚や仲違いを引き起こす?
生活リズムが合わないと、さまざまなデメリットが生じる可能性があることは前述しました。生活リズムのズレによるコミュニケーション不足やすれ違いを原因として、下記のような状況を招くこともあります。
- 生活リズムのズレが招く家族の危機
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- 夫婦の不仲・離婚
- 親と子どものコミュニケーションの希薄化
- 子どものいじめ問題などトラブルを放置してしまう など
もちろん、生活リズムのズレがあるからといって上記のようなトラブルが必ず発生するとは限りません。ただしコミュニケーション不足やすれ違いは、家族同士の信頼や絆に影響を及ぼすおそれがあります。
次章からは、生活リズムのズレに悩む家族におすすめの対処法を紹介します。
生活リズムが合わない家族がコミュニケーションを取る方法
生活リズムが合わない家族がコミュニケーションを取るには工夫が必要です。家族構成やそれぞれのライフスタイルにもよりますが、夫婦2人の家庭と子どもがいる家庭に分けて考えていきましょう。
夫婦2人の家族の場合
夫婦で生活リズムのズレがあり、コミュニケーション不足に悩んでいる場合は次のような方法を試してみましょう。
- 夫婦のコミュニケーションを確保する方法
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- 顔を会わせる時間が少なくても、LINEでメッセージのやり取りをする
- 家にホワイトボードを置き、手書きのメッセージでやりとりする
- 互いのスケジュールをアプリなどで共有しておく
- 夫婦で相談し、休日を合わせる
- 家にいるときはそれぞれの自室ではなく、リビングで過ごす
- 一緒にいるときはお互いへの感謝を伝えるなど、ポジティブに過ごす
- スポーツやドラマ、料理など、共通の趣味や話題を増やす
- 年に一度はまとまった休みを取り、一緒に旅行に行く
- 記念日や誕生日やお祝いやプレゼントを欠かさない
- 一緒にいない時間について干渉しすぎない
一緒に過ごす時間が取れなくても、スマホのメッセージアプリやホワイトボードを活用して会話を楽しみましょう。休みの確認など連絡事項だけでなく、「おいしいお店見つけたから今度食べに行こう」「最近、疲れてない?」など雑談を重ねることで、夫婦間の無関心を予防することができます。
一緒にいる時間を確保できたら、愚痴や不満を伝えるのは少し我慢して、まずは2人の時間を楽しみましょう。家事や育児で相手にお願いしたいことがあれば、感情的になるのではなく、「解決策を一緒に考えたい」という姿勢で臨むのが安心です。
また、普段はなかなか一緒に過ごせないからこそ大切な日は休みを合わせるのもおすすめですよ。有給の使い方を事前に相談しておくとスムーズでしょう。
注意したいのは、一緒にいる時間が少ないからといって相手の生活に干渉しすぎることです。「昨日は何をしていたの?」「誰と会っていたの?」など、相手のすべてを知りたくて質問攻めにしていると、相手は窮屈に感じてしまいます。そしてますます距離を空けられてしまう、という悪循環に陥ることもありますよ。
子どもがいる家族の場合
子どもがいる家族の場合は、親子のコミュニケーション不足が心配ですよね。親子のコミュニケーションは、子どもの情緒やことばの発達、社会性の形成などに関わってきます。
- 親子のコミュニケーションを確保する方法
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- テレビ電話などを活用し、お互いの顔を見て会話をする時間を作る
- LINEでメッセージのやり取りをする
- 運動会や学習発表会に合わせて、休みを取得する
- 子どもの誕生日やクリスマスは、当日もしくはその前後に休みを取得する
- 子どもが好きなスポーツやアニメに関心を持ち、共通の話題を作る
- 親の仕事について子どもに知ってもらう、職場に連れて行ってみる
- パートナー任せにせず、子どもと会う時間がなくても情報共有をする
顔を会わせる時間を作るのが難しい場合は、やはりスマホなどを活用しましょう。メッセージのやり取りは削除しない限り残りますし、休憩時間などを利用してテレビ電話で会話をするのもおすすめです。
学校行事やイベントには極力参加するようにすると、子どもの成長を感じることができます。休暇を取得する場合は、会社の規則をよく調べておき「申請期限に間に合わなかった!」とならないようにしましょう。
また、子どもに親のことを知ってもらうのも大切です。どんな仕事をしていて、離れている時間に親が何をしているのかを伝えると、親子間の思いやりや関心が高まるでしょう。
生活リズムが合わない家族が食事を一緒に取る方法
「食事は一緒に取りたい」と悩んでいる家族もいますよね。生活リズムが合わなくても食事を一緒に取るためのポイントを紹介します。
夫婦2人の家族の場合
夫婦の食事の時間を確保したいときは、どんなことを意識すると良いのでしょう。
- 夫婦で一緒に食事する方法
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- 「朝食は一緒」「夕食は一緒」「コーヒータイムは一緒」など食事・軽食の取り方を決めておく
- 今度一緒に行きたいお店や食べたいものを共有しておく
- 作り置きをしておき、準備時間を短縮する
- 一緒に食事できなくても、自炊した料理やおすすめのお惣菜を買ってメッセージを添えておく
一緒に過ごす時間を作るのが難しい場合、あらかじめ一緒に食事をする時間を決めておき、スケジュールを調整すると安心です。仕事の業種などによっては毎回は無理かもしれませんが、目標を先に決めておくと実践しやすくなりますよ。
食事の準備時間を節約することで、貴重な食事時間の会話を増やすことができますよ。2人とも自炊が好きな場合は、協力して一緒に作るのも楽しいでしょう。
食事が別々で取ることになったとしても、準備しておいた食事にメッセージを付けておくのもおすすめです。「好物を作ってみたよ」「この惣菜、おいしかったから食べてね」など、気持ちが伝わるメッセージを添えましょう。
子どもがいる家族の場合
孤食は子どもの成長にはおすすめできないと考えられていますよね。ただし親の仕事、子どもの部活や塾によっては食事の時間がズレてしまうことも。
- 親子で一緒に食事する方法
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- 「朝食は一緒に食べる」など決めておく
- 親子がお互いにスケジュールを共有する
- 自炊にこだわらず、市販品を上手に取り入れる
- 休日は親子で料理するなど、食に関する共通の経験を豊かにしていく
子どもが保育園や幼稚園、学校に通っている場合は、平日に昼食を一緒に食べる機会は少なくなります。ですので、朝食あるいは夕食を一緒に食べるように調整しましょう。子どものスケジュールを親が把握するだけでなく、子どもにも親の仕事が終わる時間などを伝えておくと、子どもも安心できますよ。
育児と仕事の両立はなかなか大変ですよね。子どもの栄養も大切ですが、「絶対に自炊しなくちゃいけない」と思う必要はありません。市販品でも栄養バランスが整っているものや無添加のものもありますので、上手に市販品を活用していきましょう。
休日など時間があるときは、親子で料理を一緒にするのも楽しいですよ。食育にもつながり食の楽しさがより深まるはずです。
家族の就寝時間が合わないときの対処法
生活リズムがズレると就寝時間が合わなくなりますよね。すると寝ていても、家族がお風呂に入るときなどの生活音やテレビの音で目が覚めてしまったり、寝ている家族を起こしてしまうこともあります。
- 家族の安眠・快眠を守るコツ
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- 寝ているときは耳栓やアイマスクを使う
- 寝室に防音材や吸音材を取り入れる
- 寝室のドアなどにボードをかけて、「睡眠中」の目印を出す
- 防音スリッパなどのグッズを活用する
- 「夜〇時以降はテレビの音量を下げる」などルールを相談しておく
睡眠不足や睡眠の質の低下は、心身の不調を引き起こします。家族の生活音が気になって眠れない場合は、家族会議をして悩んでいることを打ち明けてみましょう。
家事や育児を円満に分担する方法
生活リズムが合わない場合、家事や育児の担当が一方に偏ることもあります。朝のゴミ出しや保育園・幼稚園の登園は朝型の人が担当しやすいですよね。平日に実施される学校の保護者面談などは、平日休みの人がスケジュールを調整することが多いでしょう。
ですが家事や育児の担当が偏ると、どちらかの不満が溜まってしまうものです。
- 夫婦で家事や育児を分担するコツ
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- 家事や育児の棚卸しをして、朝にできること・夜にできることを分ける
- 食洗器など時短の家電グッズを活用する
- 育児については、情報共有や連絡をこまめにやり取りする
- お互いへの感謝の気持ちを言葉や態度で表現する
- 一方の家事のやり方に不満があっても、責める言い方は避ける
- 育児の悩みや不安については、相談の時間を確保することを約束しておく
家事や育児についての方針や理想は、人それぞれで同じとは限りません。家事ならばどこまでこだわりたいかで主張が異なることはあります。まずはお互いの考えについて耳を傾け、生活リズムが合わないなりにどのように協力すればよいか相談してくださいね。
おわりに:生活リズムが合わなくてもお互いを思いやることが大切
生活リズムが合わなくても家族円満に暮らすことは可能です。ただし会えない時間が多い分、工夫が必要ですよね。お互いを思いやりながら、コミュニケーションを取っていきましょう。
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