妊活という言葉が一般的になり、元気な赤ちゃんを迎えるための準備をする夫婦が増えていますよね。妊娠・出産のための「ブライダルチェック」も、子どもを望むカップルや夫婦が受診しています。
この記事ではブライダルチェックの内容やメリット、女性だけでなく男性の受診もおすすめされる理由などを紹介します。
- この記事でわかること
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- ブライダルチェックを受ける目的とメリット
- 男女の検査項目の違いと注意したい疾患
- ブライダルチェック受診のタイミングの目安
- カップルでブライダルチェックを受診するのがおすすめな理由
ブライダルチェックの目的って?男女で行うもの?
ブライダルチェックとは、結婚を控えた人が妊娠や出産に影響する疾患のリスクを有しているかチェックする健診です。主に女性を対象として使われることが多いですが、男性のためのブライダルチェックもあります。
ブライダルチェックでは、下記のことを調べます。
- 健康上の問題の有無
- 妊娠に影響する病気の有無
- 妊娠を成立させる能力があるか
たとえば高血圧などの生活習慣病は、さまざまな疾患を引き起こしかねませんが、妊娠・出産にもまた影響を与えます。性感染症を調べると、胎児への感染リスク、先天性異常などのリスク、流産のリスクを減らすことができます。
特に風疹の抗体検査は受けておくのがおすすめです。妊娠20週までに風疹にかかった場合、生まれてきた赤ちゃんに難聴や心疾患、発達の遅れなどのリスクが発生するおそれがあります。ブライダルチェックで風疹の抗体がないことが明らかになれば、妊娠に備えてワクチンを打つことができるというわけです。
- ブライダルチェックのメリット
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- 妊娠や出産に影響のある疾患を発見できる
- 早期に不妊治療を始められる
- 体の状態を考慮した家族計画を立てられる
- 胎児に影響のある健康リスクの有無を発見できる
- 男女共に受けることで、妊娠・出産のリスクを下げることができる
男性もブライダルチェックをした方がいい
ブライダルチェックを受診するのは男性よりも女性の方が多いのが現状です。しかし、男性もブライダルチェックを受けることで、妊娠する女性の体や将来生まれてくる赤ちゃんの健康を守ることができます。
たとえば、風疹による赤ちゃんの健康リスクは前述した通りです。風疹に感染した男性から、妊娠中の女性へ感染することがあります。風疹のほかにも感染症はさまざまですので、母体と赤ちゃんの健康を考えるならば男性の予防も必要です。
不妊の原因が男性にある夫婦も珍しくありません。ブライダルチェックを通して男性特有の疾患を発見につながることもあるのです。
ブライダルチェックは女性がするものというイメージを持っているならば、「ブライダルチェックは男女一緒に受けるのが安心」という考えに変えるのがおすすめですよ。
【女性】ブライダルチェックの検査項目
女性のブライダルチェックの検診内容は医療機関やコースによって異なりますが、下記の項目を受診できます。
- 女性のブライダルチェックの検査項目
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- 問診・内診
- 血液検査
- 超音波検査
- 子宮内膜症検査
- 性感染症検査
- 風疹抗体検査
- がん検査・女性特有のがん検査
- 女性ホルモン分泌検査
- 甲状腺機能検査
- 膠原病検査
- 貧血検査
- 女性ホルモン分泌検査
- 肝炎ウイルス検査
ブライダルチェックでは、血液検査、性感染症検査、女性ホルモン分泌検査、内診・超音波検査などがセットになっていることが多いです。子宮頸がん・乳がん検診、甲状腺機能や膠原病の検査などをオプションで付けるなど、内容を選択・追加できるようになっています。
ブライダルチェックがおすすめな女性
ブライダルチェックは妊娠・出産を希望している人や結婚を機にご自身の健康状態を確認したい人におすすめです。下記に当てはまる項目がある人は、受診してみると安心です。
- 生理不順がある人
- 妊娠や出産に影響がある持病を持つ人
- 肥満や痩せすぎを指摘されている人
- 貧血の人
- 35歳以上の人
- 風疹や麻疹などの予防接種を受けていない人
- 定期的な健康診断を受けていない人
【男性】ブライダルチェックの検査項目
男性のブライダルチェックは、女性と同様の血液検査のほか、精液や精巣など男性特有の検査、感染症の検査が中心になります。
- 血液検査
- 妊娠を成立させることができるか、妊娠に影響する疾患はあるかを検査します。
- 精液検査
- 精子の量、濃度、精子の運動率や運動の質、精子の形態を調べ、妊娠させる能力があるかを検査します。
- 精巣の検査
- 精巣の大きさ、勃起するか、射精するかを調べます。
- 性感染症検査
- 淋病やクラミジア感染症が悪化すると、男性不妊のリスクが発生しますので早期発見・早期治療が必要です。男性から女性への感染のおそれもあります。
- 風疹抗体検査
- 妊娠20週までに女性が感染すると胎児に影響を及ぼします。男性から女性への感染のおそれがありますので、抗体の有無を調べることが重要です。
- 肝炎ウイルス検査
- 母子感染により生まれてきた赤ちゃんに肝炎を引き起こすおそれがあります。男性から女性への感染を防ぐことも予防につながります。
ブライダルチェックがおすすめな男性
男性でブライダルチェックを受診する人はまだまだ多いとは言えませんが、下記に当てはまる人は受診してみてはいかがでしょう。
- 睾丸を強くぶつけたことがある
- 妊娠に関する体の状態に不安がある・不安を解消したい
- 自分の体の健康状態についてより深く把握したい
- カップルで妊娠・出産について話すうちに興味が湧いた
- 妊娠・出産について計画をしっかり立てたい
ブライダルチェックは早めに受けた方がいい理由
妊娠・出産を希望するカップルは、できるだけ早くブライダルチェックを受診するのが安心です。目安としては、結婚の4ヶ月くらい前には受けておきましょう。
早めにブライダルチェックを受けるメリットには下記があります。
- 疾患の早期治療につながる
- 疾患が見つかった場合、治療に時間を要することがあります。妊娠計画に余裕を持ってブライダルチェックを受けていれば、疾患が見つかっても治療に集中する時間を確保しやすくなります。
- ワクチン接種後には避妊が必要となることがある
- 風疹のワクチン接種後は、2か月は避妊が必要です。ワクチン以外にも疾患の治療によっては妊活をお休みする期間が必要となるでしょう。
- 結婚式準備と重ならないようにする
- 結婚式が近づくにつれてカップルは多忙になります。多忙になると疲労や睡眠不足で体調が崩れやすくなりますが、そうした状態で検査を受けると結果に影響を及ぼしかねません。結婚式間近に受診することは避けるのがおすすめです。
上記のように結婚前にブライダルチェックを受ける場合は、余裕を持って受診するようにしましょう。ただし、ブライダルチェックは結婚後の夫婦も受けられます。妊娠・出産を希望している夫婦にもおすすめの検査ですよ。
ブライダルチェックの費用相場と検査できる病院
ブライダルチェックの費用は、女性も男性も1.5万~5万円前後です。ただしコースや医療機関によって金額は異なります。一般的に、検査する項目が多くなるほど金額は高くなります。また、ブライダルチェックは自費診療です。
疾患が見つかった場合やワクチン接種が必要な場合、子宮頸がんや風疹抗体検査、風疹の予防接種などは、助成制度を利用できる自治体もあります。お住まいの自治体のHPを確認してみてくださいね。
ブライダルチェックを受診したい場合、下記の医療機関のHPを確認し、検査を実施しているか調べましょう。
- 女性
- 婦人科、産婦人科、人間ドック専門施設 など
- 男性
- 不妊クリニック、泌尿器科、人間ドック専門施設 など
年に一度の健康診断を受けるときに、ブライダルチェックを一緒に受診できる医療施設もあります。なるべく検査は一回で済ませたい人は健康診断の検査に追加するのがおすすめです。
カップルで一緒にブライダルチェックを受けると節約になる?
カップルで受けられるブライダルチェックもあります。男女ペアで受診するカップルにはペア割を適用する医療施設も出てきています。
別々に受けるより節約になりますし、2人の将来に関わることですので一緒に受けると話し合いや将来設計を相談しやすくなりますよ。ただし体の健康はプライバシーにも関わりますので、パートナーがペア受診を望まないのに無理強いするのは控えましょう。
- ブライダルチェックがおすすめのカップル
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- 結婚を控えており、妊娠・出産について検査しておきたい
- 将来的に2人の子どもを希望している
- 末永く一緒にいるために、お互いの健康状態を知りたい
- ペア割を活用し、ブライダルチェック費用を節約したい
なお、ブライダルチェックは結婚後の夫婦も受けられます。
- ブライダルチェックがおすすめの夫婦
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- 結婚後、子どもを希望しているが妊娠・出産できていない
- 不妊治療を始めようか悩んでおり、検査に興味がある
- 自分とパートナーの健康状態を確認しておきたい
妊娠・出産を望むなら、こうした健康チェックをパートナーと二人で受けておくとよいでしょう。
おわりに:2人の将来のため、生まれてくる子どものために男女でブライダルチェック受診が安心
ブライダルチェックを受診すると、妊娠・出産に影響を及ぼすリスクを発見することができます。結婚を考えていたり妊娠計画を立てているカップルは、余裕を持って受診することで疾患などが見つかった場合に余裕を持って対応できます。妊娠・出産に向けて体の準備を整えられますので、安心して赤ちゃんを迎えるために男女で受診するのがおすすめですよ。
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