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【後編】親の過干渉が子どもをアダルトチルドレン(AC)にする?-ACにおすすめの仕事って?

アダルトチルドレンと家庭環境 人間関係の悩み
この記事は約8分で読めます。
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アダルトチルドレンには、人間関係やコミュニケーションが苦手な傾向が見られます。前編ではアダルトチルドレンの特徴や、家族に見られる傾向を紹介しました。

この記事では、アダルトチルドレンの人が抱えやすい仕事の悩みや長所を活かせるおすすめの職業などを紹介していきます。悩みを相談できるカウンセリングの受け方のアドバイスも合わせてチェックしましょう。

この記事でわかること
  • ACが大人に成長すると現れる特徴
  • 大人のACが生きづらさを改善する方法
  • 精神障害を発症したときに検討される治療法の種類
  • カウンセリングを良好に継続するポイント
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アダルトチルドレンは職場で人間関係に悩みがち?

アダルトチルドレンの傾向を持つ人は、過剰に人間関係を避けたり、親密な人付き合いができなかったり、逆に過剰に人に依存して相手のためならなんでもするというような没頭をしてしまたりします。一見通常の人間関係を築いているように見えても、心から信用・信頼できず、常に疑心暗鬼に苛まれているため、表面的な付き合いに終始することもあります。

このような極端な人間関係に陥りがちなアダルトチルドレンの心の中では、人間に対する憎しみと、誰かと親密な関係になりたいという気持ちが同時に存在し、常に葛藤しています。

アダルトチルドレンが仕事をするときの特徴
  • 必要とされるために頑張り過ぎてしまう
  • 嫌われたくないあまり物事を頼まれても断れない
  • 周囲に気を使いすぎる など

上記のような傾向があるために自分自身が疲れてしまいます。自分に自信がないために見捨てられたくない、自分から離れていくことが怖い、といった気持ちから過剰なまでに人にしがみついてしまうことも。こういったことが続くと、仕事に行き詰まることもあります。

そのため、人と適切な距離感を保つことができず、人間関係でつまずきやすいので、転職を繰り返すことも多いのです。

アダルトチルドレンの傾向を持つ人が仕事を探すときには、極端な人間関係に陥りやすいことを自分で理解しておく必要があります。「頑張らなければ、自分は必要とされなくなってしまう」という不安が心の中にあり、献身的に業務につとめすぎて心身ともに疲れ切ってしまう人も多いです。

アダルトチルドレンにおすすめの職業や業種

アダルトチルドレン傾向のある人が子どもの頃に「自己犠牲によって、自分の存在価値を感じる」という対人関係を経験することも多いです。この傾向は短所になりがちなのですが、「人の世話をする、尽くす」「会社に献身的で、真面目に働く」という長所にもなりえます。

そのため、次のような仕事に向いている人がいます。

医療・福祉関係業・サービス業

「人を援助する仕事」に就くと、業務の中で「人の役に立っている」という実感が得られやすく、仕事も続きやすいようです。自己犠牲や献身を仕事の中で行うことにより、人との適切な距離感を学んだり、やりすぎをセーブしたりといった学びも自然と得られやすいでしょう。

制作・美容・技術系

スキルを活かす仕事に就くと、長く続けられることがあります。会社以外の居場所として始めたブログやSNSの運営経験をもとに、フリーランスとして活動する人もいます。さらには、自分の経験からカウンセリングを学び、カウンセラーとして独立する人もいるようです。

アダルトチルドレンでうつ病になることも?どんな治療や対応ができる?

アダルトチルドレンの傾向を持つ人は、極端な人間関係や否定的な自己像から生きていくことに希望や期待を見出しにくく、自傷に至ったり精神疾患を発症したりする人もいます。世代間連鎖などを目の当たりにしながら育ってくると、より強い生きづらさを感じてしまうでしょう。生きているのに死んでいる、死んでいるように生きている、と言われる状態です。

アダルトチルドレンの傾向を持つ人が精神障害や精神疾患を発症する場合、以下のような診断名がつくことが多いようです。

アダルトチルドレンが発症しやすい疾患や症状
  • 不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)
  • うつ病、気分障害、双極性障害
  • 境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害
  • 解離性障害、適応障害

このように、一口にアダルトチルドレンといってもその症状はさまざまで、抱える生きづらさや問題もその人によって異なります。アダルトチルドレンの生きづらさに対してはさまざまなケアや支援の方法がありますが、主に薬物療法・自助グループ・カウンセリングなどの方法がとられます。

特に、精神障害の症状が強い場合は、薬物療法を用いることで緩和されるケースも多いです。「抑うつ・不安・衝動的行動・解離・軽躁・脅迫・対人緊張・パニック・不眠・食欲低下・過食・拒食」などの症状には、薬物療法が非常に良い効果をもたらすと期待できます。苦痛な症状だけでも和らげられれば、本人の生きづらさも和らぐことでしょう。

ただし、アダルトチルドレンの本質的な生きづらさ、心理的苦痛は薬物療法だけで改善できるものではありません。あくまでも薬物療法は精神症状に対する対処療法的なものであり、補助的な役割を果たすものだというように理解しておくのが良いでしょう。

アダルトチルドレンの自助グループって?

同じような生きづらさや困難を抱えるアダルトチルドレン同士が、お互いに支え合うのが自助グループです。グループ療法のようにお互いのことを話したり、講師を招いて勉強会をしたり、一緒にイベントに行ったりしながら、自助作用による良い影響を与え、受け取り合おうというものです。

とはいえ、アダルトチルドレンは根本的な人間不信を抱えているので、すぐに自助グループに親しむことはできないかもしれません。しかし、中長期的にグループに所属することで、徐々に人間関係における適切な距離感を学んだり、人の体験談を聞いて参考にしたりできます。こうした経験が、回復への助けになりうるのです。

アダルトチルドレンの改善にはカウンセリングが効果的?

アダルトチルドレン傾向を根本的に解決するためには、カウンセラーと1対1で話を積み重ね、現在の問題の改善や過去のトラウマの整理などを行っていくことが重要だと考えられます。

現在の問題の関係
  • 今現在、職場・学校・家庭・友人関係・恋愛関係などで困っていることの改善
  • アダルトチルドレンは極論的に見れば人間関係の病でもあり、一見すると本人にとっては他者が悪いように見えてしまう
  • しかし、アダルトチルドレン自身との相互作用で困りごとが生まれることも
  • カウンセラーとの対話の中で他者との関係を捉え直し、どう振る舞っていくか考えることが改善につながる
過去のトラウマの整理
  • 多くの場合、家族や近親者との関係の中で、無力だった幼少期にどうしようもない事態に巻き込まれて心身が傷ついた経験がある
  • PTSDの診断こそつかなくても、フラッシュバック・麻痺・解離などを引き起こすことも
  • トラウマを反復するように、現在の人間関係で破壊的な行動をとってしまうことも
  • 過去のトラウマについて、カウンセラーとの対話の中で回避・反復や考えないよう抑圧するのではなく、向き合うことで克服していく
  • 過去の出来事についてカウンセラーと話し合い、捉え方が少しずつ変化していくことを目指す
  • 時には、精神分析的な心理療法やEMDRなどの専門療法を使って、過去のトラウマを整理する

上記のようなカウンセリングを継続的に行い、現在の問題と過去の問題の整理を車の両輪のように進めていくことで、アダルトチルドレン傾向は落ち着き、対人関係の改善が期待できます。しかし、仕事の項目でもご紹介したように、アダルトチルドレン傾向のある人は、カウンセラーとの関係性の中でも以下のような問題や病理が発生してしまうことがあります。

カウンセラーを受けるときの注意点
  • カウンセラーに対し、過剰に警戒したり過剰に従順になってしまったりする
  • 不安が強すぎて、カウンセリング関係を継続することができない
  • そもそも、カウンセラーとの信頼関係を結べない

このようにカウンセラーとの関係が非常に不安定になると、カウンセリングの途中で中断してしまったり、そもそもカウンセリングでアダルトチルドレン傾向の改善に取り組もうという合意に至らず終わってしまったりすることもよくあります。そこで少し頑張れるかどうか、カウンセリングを継続していけるかどうかが、一つの改善の目安とも言えるでしょう。

カウンセラーとの良好な関係の構築方法

例えば、最初の段階として「カウンセラーとの信頼関係を築く」ということを目標にすることができます。そのために、カウンセラーに対する不信感・不安感・警戒心・不満などの否定的な思いをぶつけ、対話していくことは効果的です。アダルトチルドレンの人にとって、こうした否定的な思いを言うことは関係の破壊につながりそうで怖いものですが、カウンセラーは対話のプロであり、日常生活におけるプライベートな対人関係とは異なります。

否定的な思いもあえて口にし、そうなってしまうことの意味を考え、向き合っていくことこそが真に改善に向かう道なのです。さらに、否定的な思いを口にしても咎められず、カウンセラーがそれを真正面から受け止め、向き合ってくれることがアダルトチルドレン本人に対しても新鮮な体験をもたらしてくれることでしょう。

カウンセラーとの信頼関係を築くポイント
  • カウンセラーに対する不信感などネガティブな気持ちを打ち明ける
  • 自分のネガティブな気持ちを内側に秘めない
  • カウンセラーとの対話の時間を大切にする
  • こうしたカウンセリングにおける対話の経験は、過去の体験を修正し、真の信頼関係を築くための礎となります。ですから、アダルトチルドレンの支援の中でもカウンセリングは非常に重要な位置を占めているとされています。ただし、時に非常に困難な事態に遭遇するアダルトチルドレンのカウンセリングでは、カウンセラー自身が教育分析・個人分析・スーパービジョンなどを受けながら行っていく方が良いこともあるでしょう。

    アダルトチルドレンは脳の疾患ではなく、心理的な要因が強く影響する、生き方と関係性の問題です。時にはカウンセラーとの間で関係性の病を反復してしまい、辛く苦しい時もあるでしょうが、そうなるということは逆にカウンセリングが良い方向に働いている証拠とも言えます。ぜひ、その時期をぐっと辛抱して乗り越え、根本的な意味で対人関係の病を改善していきましょう。

    前編はこちら

    【前編】親の過干渉が子どもをアダルトチルドレン(AC)にする?家族関係の注意点とは
    アダルトチルドレン(AC)とは、親の庇護を受けるべき小さな子どもの頃、親にしっかり守ってもらえないとその子どもは生きづらさを抱えやすくなる、という心理傾向のことです。 ACの原因はネグレクトなどの無関心や過干渉であることがわかっています。家族関係が子どもの成長にどのような悪影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。

    おわりに:アダルトチルドレンには、人を援助する仕事がおすすめ

    アダルトチルドレンは医学的な診断名ではありませんが、深刻な生きづらさを抱え、時には自傷や自殺に至ることもある切迫した心理状態です。生育期に親や家族との関係で十分な安心感や愛情を得られておらず、自尊心や自己肯定感が低い傾向があります。

    アダルトチルドレンの人には、人の役に立つことで傷ついた自己肯定感を満たせる医療・福祉・サービス業などの仕事がおすすめです。就職や転職の際には、ぜひ考慮してみてください。

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