HSPの人は繊細で感受性が強く、生活や人間関係で疲れやすい傾向があります。恋愛でもHSPの人はストレスに気をつけると安心です。HSPの人におすすめのデートプランやNGワード、HSPを理解するための本を紹介します。恋愛や結婚生活を楽しむための参考にしてみてくださいね。
- この記事でわかること
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- HSPの人が苦手なデートの例
- カップルや夫婦が気をつけたいHSPに対するNGな言葉
- 一緒に読むのもおすすめなHSP関連書籍
恋愛のパートナーがHSPのときの接し方
パートナーがHSPだとわかったとき、どう接したら良いのでしょうか。非HSPの人が気をつけるポイントとしては、まず「自分とは違う見え方、聞き方、感じ方があるということを頭で理解する」ということが重要です。肌感覚で理解するのはもちろん難しいので、知識として理解できれば良いでしょう。
その上で、自分と異なる感性を否定しないようにしましょう。どのような刺激が苦手なのかも本人に聞けると、相手が抱える悩みがわかり、対応もしやすくなるはずです。HSPの人は5人に1人と決して多数派ではありませんので、これまでの人生で否定されることが多く、自己肯定感が低い人が多いため、頭ごなしに否定するのは避けましょう。
- パートナーがHSPのときの心構え
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- 物事の感じ方や捉え方が自分とは違うことを念頭に置く
- パートナーの完成を頭ごなしに否定しない
- 肯定的な言葉で話しかける
学校などの集団生活では、自己主張したり気が強かったりする外向的な非HSPと比べられ、劣等感を感じやすいのもHSPの特徴です。内向的で深く考える性格を人見知り、コミュ障などとネガティブに捉えられてしまうことも多いのです。パートナーはHSPのありのままを受け入れ、積極的に肯定する言葉をかけてあげましょう。
できれば、「そこに気づくのはさすがだね」というように感性・繊細さを褒めるような言葉かけを意識し、自己肯定感を高められるように導ければベストです。話すときの言葉の大きさや仕草をフラットにしたり、穏やかな振る舞いを心がけたり、語気・表情・身振りに多少注意したりして、刺激を少なめにしてあげるのもHSPにとっては安心できます。
というのも、HSPの共感能力や刺激に敏感な気質は、非HSPなら気にも止めないようなことに気づき、何気ない一言やそっけない態度を何日も気にして引きずってしまいやすいからです。パートナーに対しても同じで、イライラや落ち込みはすぐに伝わってしまいます。思っていることやイライラ・落ち込みの理由は素直に伝えた方が、かえってHSPがあれこれ一人で思い悩んで疲れてしまうのを防げるのです。
逆に、HSPにかけてはならないNGな言葉は主に以下の6つです。
- HSPの人に対するNGな言葉
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- やらないだけでしょ?
- 気の持ちようだよ、気持ちの問題だよ
- なんでそんなことが気になるのかわからない
- そのくらい、誰にでもあるよ
- みんな頑張っているんだから
- 普通に見えるから、大丈夫だよ
こうした言葉はHSPの感性を否定するとともに、既に十分すぎるほど頑張って気を張り詰めているHSPの心身にさらなる負担をかけてしまいます。特にパートナーは、絶対にこうした言葉をかけるのは避けましょう。
HSPがしんどくなるデートとは
HSPとのデートプランを立てるときには以下のようなポイントを意識すると、共感性や敏感さに配慮しやすくなります。
- 人混みを避ける
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- HSPは周囲からの刺激を敏感に受け取ってしまうため、人混みが苦手
- ターミナル駅、ライブ会場、お祭りなど、一般的なデートで行く場所で気分が悪くなってしまうことも
- デートのときには、落ち着いて話ができるような場所を選ぶと良い
- 騒音を避ける
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- 工事の作業音、花火の音、サイレンなどのような大きな音もHSPは苦手な傾向にある
- 非HSPなら少し時間が経てば慣れるような音でも、HSPは慣れにくく大きなストレスになりやすい
- カラオケなども音の大きさ、他の部屋の音や声などがHSPには苦手なことが多い
- 暴力的な描写を避ける
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- HSPの共感しやすさは実在の人間に限らず、テレビや映画、本などでも同じ
- 災害や事件の報道を見ると被害者に共感して辛くなったり、映画やドラマで人が殴られる描写を見て自分も泣いてしまったりする
- デートのときは、ホラーや暴力表現のある作品をできるだけ避けると良い
HSPの人はパートナーに対しては無理をせず、自分の素直な感じ方を伝えるようにしましょう。たとえばデートなどお出かけのときは「人混みは苦手だから、空いているところに行きたい」「ホラー映画は、すごく怖いから苦手」といったように、率直な気持ちを伝えてみてください。
- HSPが楽しくなるデートプランの立て方
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- HSPが苦手なことや場所を事前に理解し合う
- お互いの素直な気持ちを伝えながらデートプランを決める
- 迷ったときは落ち着ける場所で過ごす
相手が好きなことに対してネガティブな気持ちを表現するのは申し訳ないと感じてしまうHSPも多いのですが、HSPでなくても苦手なものは誰にでもあります。素直に伝え、お互いが気持ちよく過ごせる環境をパートナーと一緒に作っていきましょう。
基本的には「ネガティブ・ポジティブに関わらず、大きい刺激を避ける」という意識で構いません。その上で、細かいポイントにも少し気をつけてみてください。非HSPなら気にもならない人が多いので、どうしても見落としがちなポイントだからです。また、一口にHSPといっても人によって苦手なことは少しずつ異なりますので、できれば本人から苦手なことを聞き出し、その人に合わせた配慮ができるとより良いでしょう。
HSPについて理解したい人におすすめの本5選
パートナーがHSPである、または自分がHSPかもしれない、と思ったら、ぜひHSPについて書かれた本を読んでみてください。ここでは、HSPについて理解しやすいおすすめの本を5つご紹介します。自分やパートナーについてより理解が深まり、恋愛においても人生においてもたくさんのヒントや気づきを得られるでしょう。
HSPのおすすめ本①:『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき HSP気質と恋愛』(エレイン・N-アーロン著)
HSPという概念の提唱者であるエレイン・N・アーロン博士による、HSP気質と恋愛について書いた本の完訳です。HSPが恋愛においてやりがちな失敗への対処法、他人との向き合い方、恋愛を長続きさせる方法などが解説されています。
恋愛の実践的なアドバイスを伝えながら、「HSPがどうすれば敏感な自分を愛し、そして他人も愛せるようになるのか」という本質的なテーマに切り込んでいきます。HSPという概念の提唱者だからこそできる、長年の研究をベースにしたベストセラーです。
HSPのおすすめ本②:『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』(エレイン・N-アーロン著)
こちらも、同じくHSPの提唱者であるエレイン・N・アーロン博士による、HSPと恋愛に関する本です。HSPは激しく恋に落ちる一方、親密になることや傷つくことを過剰に恐れてしまう傾向もあり、繊細さゆえに上手く恋愛を進められない人も多いのがHSPの特徴です。
この本ではHSPに加え、最初にご紹介したHSS型(刺激追求型)についても紹介されます。HSPの敏感な特性を上手に活かしながら恋愛を成就させるために、自分自身の特性について知り、相手との絆をしっかり深めていきましょう。
HSPのおすすめ本③:『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(武田友紀著)
周囲に機嫌が悪い人がいると緊張する、相手が気を悪くすると思うと断れない、空調や家の外の自動販売機の音が気になってしまう、といったHSPの特徴を「繊細さん」というわかりやすい表現で表したのが本著です。
五感を制御する方法や、人間関係に対するアドバイスなど、著者である武田友紀さんが実際に試してみた方法が紹介されていますので、HSPを理解するため、HSPに対する配慮のための入門書としておすすめです。自分やパートナーがHSPかもしれない、と思ったときに読んでみるとわかりやすいでしょう。
HSPのおすすめ本④:『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』(武田友紀著)
武田友紀さんによる「繊細さん」の本、第2弾です。HSP気質の人が持つ敏感さを長所と捉え、「感じる、直感、深く考える、表現する、良心、共感」の6つのポイントから幸せを探していく方法を紹介しています。
HSPはどうしても多数派である非HSPと比べて自己肯定感が育ちにくい傾向にあり、自分の長所を見つけにくいため、自分の持つ特性や感性を長所と捉え、大切にしていくことが自己肯定感を伸ばす重要なポイントです。自己肯定感の低さで悩んだ時に、ぜひ読んでみてください。
HSPのおすすめ本⑤:『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(おがたちえ著)
HSPは人口の約5人に1人とされ、決して珍しい存在ではありません。最後は、漫画家として活動しているHSPの著書をご紹介します。ネット上で自分の作品を批判されるとひどく傷ついてしまったり、細かいことが気になりすぎて仕事が手につかなかったりする自分の敏感さに悩む、HSS型HSPである著者のコミック・エッセイです。
ライトな「HSPあるある」ネタを集めた本著は、HSPが共感しながらも思わずくすっと笑える一冊に仕上がっています。HSP専門のキャリアコンサルタントであるみさきじゅり氏の監修で、Kindle版でも単行本でも読むことができます。
前編はこちら
おわりに:HSPは自分軸と境界線を意識して、恋愛を成功させよう
視覚や聴覚といった感覚が敏感で感受性が強いHSPは、人に共感したり深く考えたりすることが得意です。その反面、恋愛においては相手の気持ちを常に優先して疲れてしまったり、不安で深読みしすぎたりしてしまうこともあります。HSPの生き方のヒントなども参考にしながら、ぜひ自分やパートナーの気質に対して理解を深めましょう。
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