空気を読むことはコミュニケーションスキルのひとつと考えられていますが、会社でも空気を読むスキルは大切ですよね。空気を読めない人は、仕事のトラブルや人間関係のこじれを引き起こすことがあります。この記事では、職場にいる空気を読めない人の特徴や対処法を解説します。
- この記事でわかること
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- 空気が読めない人のあるある言動
- タイプ別空気が読めない人の特徴
- 空気を読むスキルを習得する方法
- 空気を読むことへの考え方
職場にいる空気が読めない人の特徴
「空気が読めない」ことを「KY」と呼ぶようになり、社会にもすっかり浸透しましたよね。仕事において空気が読めない人は、次のような行動をしがちです。
- 職場にいる空気が読めない人あるある
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- 思ったことをそのまま口に出し、相手を不快にさせることが多い
- 多忙な人に対して、急ぎでない用事で話しかける
- 話し出したら止まらず、周囲の人の時間を奪っている
- 人前では話しづらい話題なのに、大勢の前で話し始める
- 他人が困っていたり戸惑っていたりしても気が付かない
- 報・連・相の過程で、勘違いやコミュニケーション不足が起きる
- ランチなどみんなで会話をしていても、スマホばかりチェックしている
ただし空気が読めないといっても、その原因はさまざまです。
おおらかな性格が原因で空気が読めないタイプ
おおらかな性格をしている人は、空気を読むのが苦手なことがあります。
- おおらかで空気が読めない人の性格・行動
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- 他人の感情があまり気にならない
- 自分にも他人にも甘い・やさしい
- 鈍感な傾向がある
- 人の話をあまり聞いていない
- 時間にルーズな傾向がある
- マイペースである
おおらかな性格が原因で空気が読めない場合、人から嫌われることはあまりありません。むしろあたたかみのある人柄を好む人も多いでしょう。ただし、周囲から注意される機会がないために、空気を読まずに重大なミスやマナー違反をするリスクがあります。
自己主張が強い性格が原因で空気が読めないタイプ
仕事をする上での自己主張が強く、空気が読めない人もいます。
- 自己主張が強くて空気が読めない人の性格・行動
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- 自分の意見をはっきり言う
- 自分の考えを曲げない
- 人によって態度を変えない(上司や目上の人にもはっきりと意見する)
- 人が話しているのに自分の話を始める
- 自分の考えや価値観をもとに話をまとめがち
- 目立つのが好き
- 人から認められたいという欲求が強い
- 人の意見に対して「いや」「そうじゃなくて」など否定から入ることが多い
自己主張が強いタイプは、仕事を牽引するエネルギーも強く、リーダーとして活躍する人が多いでしょう。ただし自分の意見や計画に対する反対意見や質問などを拒絶してしまうケースもあり、「みんなついていけていないのに、空気が読めない人だ」と思われることがあります。
ネガティブな性格が原因で空気が読めないタイプ
ネガティブな性格が原因となって、空気が読めない言動や態度を取ってしまうこともあります。
- ネガティブな性格で空気が読めない人の性格・行動
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- 場所などを気にせず「辛い」「もうやだ」などの言葉をよく口にする
- 「でも」「だって」など否定的な言葉から会話を始める
- 「どうせ私が悪い」など被害者意識が強い
- 冗談が通じず、見聞きしたことをそのまま真に受ける
- 上司や同僚のことをあまり信頼していない
- 過去の結果や将来の見通しに対して、悲観的になりやすい
- ポジティブな会話をしている最中でも、ネガティブな一言を言ってしまう
ネガティブな言動や態度は、チームの士気に影響を及ぼすこともあります。愚痴ばかりを言う人がいることで、「今はみんな一丸になって前向きになりたいときなのに」と、チームや部署全体がげんなりしてしまうことも少なくありません。
子どもっぽい性格が原因で空気が読めないタイプ
子どもっぽい性格が原因で、空気が読めない人もいます。年齢の割に子どもっぽいというよりは、社会人としての基礎的なマナーや経験が不足している場合が多いでしょう。
- 子どもっぽくて空気が読めない人の性格・行動
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- ビジネスマナーの基礎が身に付いておらず、周囲を困惑させている
- 上司や同僚に対してタメ口で話しかけるなど、友達感覚でいる
- 「忙しいところすみません」など、相手の状況を察して気遣うことが苦手
- 本音と建て前を使い分けることができず、常に正直である
- 職場で友達作りをすることを頑張っている
基本的なビジネスマナーが身に付いていないと、空気を読むことは簡単にはいきません。敬語の使い方やTPOに応じた立ち居振る舞いなどができていないと、「社会人としての常識のない人」「空気の読めない人」と思われてしまいます。
空気が読めないと仕事のトラブルや人間関係の悪化を引き起こす?
空気が読めないからといって仕事ができないとは限りません。ただし空気が読めない発言や行動によって、仕事のトラブルを招いたり、同僚との人間関係が悪化したりすることが考えられます。
- 空気が読めない人が原因で起きる職場トラブル
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- 上司や取引先に対して、失礼な言葉遣いや態度で接してしまう
- タイミングの悪い発言をしてしまい、商談や打ち合わせが荒れる
- チームの意思疎通がうまくいかず、仕事の質が下がる など
空気が読めない人やその周囲にいる人は、上記のようなトラブルに直面したり巻き込まれるリスクがあります。次章からは、職場に空気が読めない人がいる場合、できるだけストレスを小さくする方法を解説します。
空気が読めない人とどう接すればいい?
職場に空気が読めない人がいると、イライラしたり疲れたりすることがありますよね。空気が読めないからといって、必ずしもその性格や行動は直すべきものとは限りません。ただし仕事に支障が生じていたり、周囲に悪影響を及ぼしている場合は、次のような対処法を試してみましょう。
- 空気が読めない人への対処法
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- 非常識な言動や行動をした場合、「一般的には」「ビジネスシーンでは」の前置きをしてからやんわりと注意する(個人的な感情で注意しているのではないことを明確に)
- 空気が読めない人に対して伝えたいことがある場合は、簡潔かつ明確に内容を伝える
- 言葉での説明で理解を得られない場合、図やイラストなどを活用して説明する
- 「〇〇してくれたら助かる・うれしい」というように、空気を読む行動をするメリットを伝える
社会人になってから空気を読むスキルを身につけるには
社会人になってからでも、空気を読むスキルは身に付きます。日々の打ち合わせや商談など、コミュニケーションを積み重ねるうちに空気を読むスキルが鍛えられることもあります。
職場に空気が読めない人がいて困っている場合、次のようなことを実践すると本人に変化が現れる場合がありますよ。
新人・若手研修
職場にいる空気を読めない人が新人社員や若手社員の場合、新人・若手研修を実施しましょう。基本的なビジネス敬語、接遇などのトレーニングを通してマナーが身に付きます。
大企業であれば外部の講師を招いた研修などを実施することもあるでしょう。社内の人事部などが研修を実施する企業もあります。研修が必要な社員の人数や会社の予算などに応じて、研修の規模や所要時間をアレンジするのがおすすめです。
マネジメント研修・ハラスメント研修
職場にいる空気が読めない人が、マネジメント職などのポジションにいる場合はマネジメント研修やハラスメント研修の実施もおすすめです。特に、自己主張が強くて空気が読めないタイプの人にとっては、ハラスメントの予防につながるだけでなく、空気を読むヒントにもなるでしょう。
チームをまとめるための知識やプロジェクト管理のスキルを磨くことで、全体を把握する能力や職場の雰囲気を改善するための知見が習得されていくはずです。
空気を読むのはマナーなの?気にしすぎ?
空気を読む人は協調性が高く、チームワークが良いというイメージを抱いている人は多いはず。ただし、空気を読めないことがすなわちマナー違反とは限りません。
雰囲気や暗黙の了解を理解するのが難しい人はたくさんいます。「なぜあの人は空気が読めないんだろう」と思っているときは、相手もまた「なぜはっきり言わずに察するのを期待しているんだろう」と不思議に感じていることも少なくありません。
空気を読むことを優先するあまり、人に暗黙のルールを押し付けていたり、相手が察して気を遣ってくれるのを待っていると、デメリットを招くことがあります。たとえば「暗黙のルールを守る義務はあるのか」「言葉にしなかったのに批判するのはずるい」と責められることもあるというわけです。そして、こうした意見は間違っているとも言えません。
人間関係において空気を読む言動や行動は歓迎されることが多いですが、ビジネスシーンでは「要求をはっきりと伝える」「言質を取る」「言った・言わないの争いを避ける」ということもまた重要です。空気を読んだつもりが自分の思い込みや先入観でしかなかった、という状況もあり得ます。
空気が読めない人がトラブルを生むケースがある一方で、空気を読みすぎる人がトラブルを引き起こす可能性もあることを理解しておきましょう。
外資系企業や外国人は空気を読む文化がない?
空気を読むという態度やマナーは、日本独特のものだと考える人も多いですよね。たしかに欧米諸国と比較すると、日本のビジネスシーンでは「雰囲気や態度で察する」「本音と建て前を分ける」が美徳とされているでしょう。ところが、欧米などの外国でも空気を読むべきシーンは発生しています。
- 外資系企業の特徴
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- 意見を言わない人、控え目な人は「積極性がない」「主体性が低い」と判断される
- 外資系企業の評価制度は成果主義のことが多い
- はっきりと意見を主張するのは、人種や文化など多様性あるコミュニティでお互いを理解するためでもある
- 外資系企業では即戦力を期待しているため、新人研修などトレーニングが手厚くない(職場の雰囲気などを自分で感じ取っていく必要がある)
- 日系企業と比べるとマネジメント職が持つ人事権が強いため、上司との関係性を良好に保つ必要はむしろ高い(上司への気遣いやアピールが重要)
外資系企業で特に空気を読む必要が特に発生するのは、上司との信頼関係づくりでしょう。外資系企業では直属の上司が持つ人事権が強いケースが少なくありません。上司に嫌われたり低評価を下されたりすると、キャリア形成に大きな影響が生じることもあります。つまり、上司が好む仕事の進め方やコミュニケーションをつかむことができれば、評価アップを狙いやすくなります。
また、グローバルな外資系企業では人種や文化などバックグラウンドがさまざまな人が一緒に働いています。そのため、言ってはいけないことやマナー違反となる行動が意外と多いものです。一緒に働く同僚を尊重するという意味で、空気を読む必要があるでしょう。
おわりに:空気が読めない人には伝え方を工夫してみて
空気の読み方が合わないとストレスを感じることもありますよね。時にはハッキリと自分の意見を主張するのも大切ですので、伝え方を工夫してみましょう。
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