近年、飲食店の客のマナーが問題視されることが増えています。周囲の客を不快にする振る舞いやお店への迷惑行為は、気をつけないと誰でもやってしまいがちです。
この記事では基本的な外食マナー、SNSにアップする写真の撮影、子連れの外食の注意点、予約・キャンセルの手順などを紹介します。
- この記事でわかること
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- 飲食店でゆっくり過ごしたいときの注意点
- お店に迷惑をかけない良い客の振る舞い
- 食事中に写真撮影したい人が知っておくべきこと
- 予約のドタキャンがお店に与える損害
外食を楽しむにはマナーを守るのも大切
レストランなど飲食店で食事をするときは、お店や周囲のことも考えて行動することが大切です。
家での食事とは異なり、ひとつの空間を共有していますので、ルールやマナーを守ることが求められます。自分たちのことだけでなく、お店やほかのお客さんのことも考えて行動すると、みんなが素敵な時間を過ごせます。
飲食店の客として求められる振る舞いをまずは基本的なマナーから見ていきましょう。
飲食店で守りたい基本的なマナー
- 基本的なマナー
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- 大きな声で話したり、騒いだりしない
- 禁煙や分煙のルールを守る
- 強い香水はつけていかない
- LO(ラストオーダー)や閉店時間を過ぎないようにする
- 予約している場合は時間を守る
基本的なマナーは、周囲の客やお店側への礼儀です。お互いが心地よい時間を過ごせるように守るのがおすすめですよ。
そのほか、下記についても意識してみましょう。
長時間滞在のルールを守る
一般的に、飲食店は客の滞在時間が長くなると売上効率は悪くなり、業績が下がります。また長時間滞在する客が多いと、その分ほかの客がお店に入れません。お店によっては滞在時間に制限を設けたり、注文数のお願いを出しています。
基本的に長期滞在はお店やほかの客に迷惑となることを理解し、ルールを守るようにしましょう。
お店からの「お願い」や「ルール」を守る
効率的に客を案内するためや、心地よい時間を過ごしてもらうために、お店がお願いやルールを設けていることがあります。
こうしたお願いやルールは、お店側がスムーズに動くために考えられています。客として来店した場合は協力して守りましょう。
- 飲食店からのお願い・ルールの例
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- 混雑時の滞在時間に制限を設ける
- 面積が小さい店舗などの、入店時の人数制限
- ワンドリンク制など注文ルール
- 行列に並ぶときの並び方
- 人気店の整理券配布 など
食物アレルギーは予約前・注文前に相談する
マナーとは異なりますが、食物アレルギーを持っている場合は事前に伝えておくと安心です。食物アレルギーの事故は命にも関わりますので、お店側も細心の注意を払っています。注文してから伝えても料理を作り直しになったり、別途注文の必要もありますので、お互いのために予め食物アレルギーの有無は伝えておきましょう。
飲食店で気をつけたい迷惑行為とは
反対に、飲食店でマナー違反や迷惑行為と受けとられかねない振る舞いを確認していきましょう。
開店時間直前、閉店時間後に利用しようとする
24時間営業の飲食店もありますが、開店時間と閉店時間、休憩時間を設定しているお店も多くあります。
開店時間直前の店内では、料理の仕込みやテーブルセッティング、スタッフ同士のミーティングなど開店準備を進めています。閉店後は後片付けや翌日の準備に忙しいですし、閉店時間が遅くなるとスタッフの帰宅時間にも影響しかねません。
飲食店を利用するときは時間内で余裕をもって利用するように心がけましょう。
席で携帯電話を使って通話する
飲食店で、携帯電話で通話するときは一旦席を外すのがおすすめです。店内では携帯電話より大きな声で会話しているグループ客もいますが、携帯電話では、席を立って通話するのが一般的でしょう。
携帯電話で通話していると、本人にはそのつもりがなくても声が大きくなりがちです。席で携帯電話の通話をしている人をマナー違反と感じる人もいますので、迷惑と受け取られる可能性が高いといえます。
食べこぼしなどでお店をひどく汚す
食事中は多少の食べこぼしは発生しますが、過剰な食べこぼしはスタッフの負担になりますし、衛生的にも好まれません。
アルコールの飲み過ぎで嘔吐する客もいますが、自身のお酒の適量を超えないようにしてください。
食べ終わった食器を重ねる
食べ終わった食器を重ねて片づける人もいますが、お店としてはそのままにしてほしいことが少なくありません。食器の油汚れが皿から皿へと移ったり、食器を傷つけてしまうことがあります。
お座敷の宴会で食器を畳に置くのも控えましょう。スタッフやほかの客が畳に置かれた食器に気づかずにつまずいてしまうおそれがあります。
飲食物や食材を持ち込む
飲食物の持ち込みをお断りしているお店が多いです。場所の提供だけでは売上になりませんので、飲食店では何かを注文するのが基本です。
また事前の伺いなく食材を持ち込み、その食材の調理をお願いする人もまれにいます。客とお店側が親しい場合であれば問題なく承諾してもらえることもあります。しかし急に食材を持ち込むとお店側を困らせてしまうので気をつけましょう。
お店の調味料や備品を持ち帰る
お店の調味料やナプキンを自宅用に持って帰るのは歓迎されません。また、トイレのトイレットペーパーやナプキンを持ち帰るのも控えましょう。
会計後に長時間滞在する
席で会計を済ませた場合にありがちですが、会計後も帰らずに長時間滞在していると、次の客を入れられません。テーブルの食器などもなかなか綺麗に片付けられなくなってしまいます。
会計が完了し、もう追加オーダーをする予定もないのであればお店から出るのがスマートです。
食事の写真をSNSに載せたいときの注意点
飲食店の口コミサイトやSNSの普及によって、食事の写真を撮る人が爆発的に増えました。近年では年齢や性別を問わず外食の料理写真を撮ることが普通になってきています。レコーディング・ダイエットのために毎食写真を撮るという人もいます。
ただし、お店によっては写真撮影を迷惑に感じたり不快と受け取るところもあります。写真撮影して差し支えないかお店側に確認するのが最も丁寧です。
飲食店での撮影では下記の点に気をつけましょう。
撮影禁止でないか確認する
すべての飲食店が料理や店舗の写真撮影を歓迎しているわけではありません。「写真撮影禁止」と貼り紙がしてあったり、テーブル上に注意書きのPOPが置かれていることもあります。撮影禁止が掲げられているお店では、撮影を控えてください。
また、明記されていない場合でも撮影したところ「写真撮影はご遠慮願います」などとお願いされることもりえます。その際はお店の方針に従いましょう。
静かなお店では撮影を控える
スマホは機種によってはシャッター音が大きく、店内で響きます。静かで落ち着いた雰囲気のお店では、シャッター音が雰囲気を損ないかねません。店内の撮影を好まない人もいますので、ほかの客の気分を害すおそれもあります。
SNSなどネットにアップするときはお店に配慮する
写真撮影OKの飲食店でも、下記を撮影するのは避けましょう。
- スタッフ
- 他の客
- 周囲の家が入り込む外観写真
- キッチン
スタッフや周囲の客を無断で撮影し、ネットにアップしてはいけません。写真に写り込んでおり、どうしてもその写真をアップしたい場合には、必ずモザイクなど加工してその人がわからないようにしましょう。
お店の外観を撮影したときに、個人の家が特定できるほど写り込んでいる場合もネットへのアップはやめましょう。
キッチンの様子もお店によっては迷惑と捉えられますので、写真撮影する場合は自分が食べる料理や友達同士までしておくと安心です。
小さな子ども連れで気をつけたい飲食店利用マナー
飲食店を利用するとき、小さなお子さんがいる家庭はお店選びに悩むこともあるでしょう。子連れの外食での悩みで多いものを見ていきましょう。
- 奇声を挙げたり大泣きしたりする
- 小さな子どもは突然奇声を挙げたり、大泣きすることがありますよね。食事の時間に落ち着きが欲しい、会話を楽しみたいという人が近くの席に座っている場合、迷惑に感じられることがあるでしょう。
対策としては、子どもの心が落ち着くおもちゃなどを持って外出しましょう。また子どもが大泣きし始めたら大人がお店の外などに出てあやすという対応も必要です。 - 子どもが店内を走り回る
- 食事が待ちきれなかったり、食べ終わって暇になったりすると、店内を走り回る子供は多いものです。しかし子どもが店内を走り回ると、周囲の客とスタッフ、子ども本人に危険が及びます。熱い料理が体にかかったり、食器が割れるなど大きなケガを招くおそれがあります。
対策としては、保護者が走り回る子どもにきちんと注意することです。やってはいけないことはしっかり伝えましょう。
上記の2つは子どもにはありがちな傾向ですので、完全に予防するのは難しいこともあるでしょう。子どもに少しずつ外食のマナーに慣れさせるなど、保護者の子どもへの接し方が大切です。
次に、親がやってしまう子連れのマナー違反の代表的なもの2つを紹介します。
- 食事の場での土足抱っこ
- テーブルについているときに、大人が子どもを抱っこする風景はよく見られますよね。このとき、子どもが靴を履いたままの場合は要注意です。
抱っこされていると、店内のテーブルとの距離によっては子どもの足が周囲の人のテーブルに接近します。子どもが足をブラブラさせていると、靴について土や泥、雨水が飛んでしまうおそれがあります。 - 食事の席でのオムツ替え
- 子連れの外食で食事の席でオムツ替えをする人もいますが、周囲の人にとってもお店にとっても迷惑となります。トイレやショッピングビルにオムツ替えのスペースが用意されていることもあります。外食で食事の席でのオムツ替えは控えてください。
子連れの外食での飲食店選びのポイント
小さなお子さんを連れて外食するときは、下記のポイントを参考にお店を選びましょう。
- 子連れで外食するならこんなお店がおすすめ
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- 個室があると周囲の客への気兼ねなく食事を楽しめる
- 座敷があると赤ちゃんを寝かせやすい
- 子ども用のメニューがある
- 子ども用のイスが利用できる
- オムツ交換スペースや授乳室がある
- エレベータ―が完備されており、ベビーカーで移動しやすい
- 座席の間隔が広い
子ども歓迎のお店も増えていますが、気軽に利用できる外食としておすすめなのがファミレスかフードコートがおすすめです。
- ファミレスのメリット
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- 子連れでも気兼ねなく利用しやすい
- 子ども用メニューが用意されている
- 子ども用イスを利用できるお店が多い
- 子どもが喜ぶおもちゃを買えるお店が多い
- フードコートのメリット
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- フードコート自体がガヤガヤしており、子どもの声が悪目立ちしにくい
- お店の種類が多く、子どもが食べられるメニューを選びやすい
- 予約者の名前や連絡先、人数などを伝える
- 予約時には、予約者の名前と携帯の番号、利用人数を伝えましょう。人数に変更があるときはお店に確実に伝えましょう。また、食物アレルギーを持っている人は、予約時に伝えてください。
- 電話予約はお店が忙しい時間帯を避ける
- インターネット予約であれば24時間受付していることが多いです。電話予約では飲食店の忙しい時間帯を避けましょう。お昼の11時半~13時半、夜の18時半~21時くらいを避けると、落ち着いて要望を伝えることができます。
- 日程の余裕を持って予約する
- 来店ギリギリで予約しようとすると、予約不可や満席の可能性が高くなります。メニューによっては当日注文が不可能なこともあります。
- 到着時間より早い、遅刻するときは電話で連絡する
- 予約の時間よりも早く着いてしまうと、お店側の準備が完了していないことがあります。前の客がまだ席にいることもあります。早く到着してもよいか電話で聞いてから向かいましょう。遅刻のときも電話で連絡してください。お店によっては予定時間から〇分経過するとキャンセルと判断することもあります。
- キャンセルするときは必ず連絡する
- 予約をキャンセルしなくてはいけなくなった場合、必ずお店に連絡しましょう。また、キャンセル料が設定されている場合は金額を支払ってください。
- キャンセルすることを連絡する
- キャンセル料の有無、支払い方法を確認する
- キャンセル料の支払いをする
- 日程の変更を希望する場合は、相談する
予約やキャンセルにもマナーあり!無断で予定変更はNG
飲食店を利用するときは、事前に予約すると利用がスムーズです。普通の食事はもちろん、記念日や会社の飲み会では予約しておくと安心ですよね。
飲食店の予約では、下記のポイントを抑えましょう。
近年は飲食店が予約を無断キャンセルされて損害を被るケースが目立ってきています。
ドタキャンで損害賠償が発生することがある
飲食店の予約をキャンセルすることになったら、まず下記の手順を踏みましょう。
キャンセルしたということは、実際にはお店に行かず料理も食べていないのですが、お店は料理を準備し、必要な人材を配置しています。そのため、食材費や人件費のコストがかかっています。
当日や時間直前のキャンセルの場合、ほかの客を入れられる可能性があったのに案内できなくなったおそれもあります。
このように突然のキャンセルはお店側に損失を与えるのです。そのため、ドタキャンに対して損害賠償が認められる判決も出ています。
2018年の3月に、東京で飲食店のドタキャンに対する訴訟がされました。ドタキャンした被告に対しては、予約したコース料金である13万9200円の損害賠償の支払いが命じられました。
飲食店のキャンセルの法的問題点
予約のキャンセルには、民事上の損害賠償責任が生じる可能性があります。飲食店の予約は、法律的には”客とお店との間で飲食サービスの提供契約”という契約が成立しているとみなされます。
そのため、客がお店との契約をドタキャンというかたちで一方的に破り、その結果としてお店に損害を与えているという法律関係になります。
料理の予約はせずに席だけの予約の場合でも、損害賠償が発生すると考えられています。無断ではない事前キャンセルでも、お店との予約時の条件次第では損害賠償責任が発生する可能性があります。
おわりに:飲食店ではマナーやルールを守り、素敵な時間を過ごそう
飲食店で食事をするときは、周囲の客やお店のことも思いやる振る舞いが求められます。声の大きさや香水などの基本的なマナーはもちろん、予約やキャンセルでもマナー違反をしないように気をつけましょう。
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