気分にムラがある人は、仕事や職場の人間関係が上手くいかなかったり、トラブルを抱えやすい傾向があります。仕事の質に安定感がある人は、感情も安定していて気分の浮き沈みが小さいものですよね。
この記事では、仕事中に気分にムラが出やすい人に向けて、メンタルを安定させる方法や職場環境の改善法などを紹介します。
- この記事でわかること
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- 気分にムラがある人が仕事で抱えがちな悩み
- 気分にムラがある人が向いていない仕事
- 気分のムラを抑えるためのポイント
- 気分障害が原因で気分にムラがある場合の治療法
気分にムラがある人は仕事ができない?
気分にムラがある人は感情が変わりやすく、気持ちの浮き沈みが激しい傾向が見られます。気分にムラがあるとメンタルが落ち着かず、仕事に次のような影響を及ぼすことがあります。
- 集中力が続かない
- 冷静さを求められる仕事が苦手
- 忍耐を求められる仕事が苦手
- ミスをしたとき激しく落ち込む
- 気分のアップダウンに引きずられ、仕事の質が安定しない
- 判断や主張が変わりやすい
- プライベートの出来事が、いい意味でも悪い意味でも仕事に影響しやすい
- 仕事が長続きしない
上記のような傾向が見られる人は、仕事のミスが多い、仕事の得意不得意に極端な差が出る、仕事にストレスを感じやすいなどの悩みも抱えがちではないでしょうか。
メンタルの状態は、本人が思っている以上に仕事に影響を及ぼすものです。まずは自分には気分にムラがあるタイプだということを自覚することが大切といえます。
気分にムラがあると職場での評価が下がる?
気分にムラがある人は、周囲から次のように受け取られていることが多いです。
- 話しかけにくい
- 仕事に協力してもらえなさそう
- 面倒臭い人だ
- (タイミングを見て)後回しにしよう
- 子どもっぽい
- 発言も変わりやすく、信頼できない
- 仕事を任せにくい
気分にムラがある人は周囲にこうした印象を与えやすく、職場での良好な関係構築、仕事に必要な信頼獲得に悪影響を及ぼします。
職場で孤立している気がする、仕事を任せられることが少ないなどの悩みを抱えている場合、気分にムラがあるせいかもしれません。
気分にムラがあるのは性格が原因?
気分にムラがある人は、仕事のためにも職場の人間関係のためにも、安定したメンタルを手に入れられるように気をつけましょう。
気分のムラを改善したい場合、原因ごとに対策が変わってきます。気分にムラが出る原因が性格にあることも考えられます。
- ちょっとしたことで怒りやすい
- 人の言葉や態度に傷つきやすい
- 忘れっぽい性格をしている
- 想定外のことが起きるとパニックを起こす
- 物事を短期的に捉えることが多く、一喜一憂しやすい
上記に当てはまる人、他人から上記のような性格をしていると言われたことがある人は、気分にムラがある可能性が高いでしょう。
気分にムラがあるのは職場・仕事が原因?
気分にムラが出たり感情の浮き沈みが激しい原因は、職場の環境や仕事内容によるものかもしれません。
- メンタルの不調を引き起こしやすい職場環境
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- 仕事場が狭い、人との物理的距離が近すぎる
- 仕事場に光が入りにくく、暗い
- 職場の騒音や匂いに悩まされている
- デスク周りが散らかっている
- メンタルの不調を引き起こしやすい仕事内容
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- 自分の能力やスキルに対して仕事のレベルが高すぎる、または低すぎる
- シフト勤務など、昼夜逆転しやすい
- 労働時間が長く、気分のリフレッシュをしにくい
- 仕事に対する評価基準が曖昧で、達成感を得にくい
- 明確な目標やプランがなく、行き当たりばったり
- ミーティングや相談の機会が少なく、不安や不満が溜まる
職場環境や仕事内容が原因で気分にムラが出る場合、改善には自分の工夫だけではなく周囲の協力も必要になります。周囲に働きかけながら、メンタルにかかる負担を和らげてください。
脱・気分屋!メンタルが安定した人になるための方法
気分にムラが出る原因に見当がついたら、メンタルの安定を目指して対策を取りましょう。原因はひとつとは限りませんので、下記を参考に対策を見つけてくださいね。
感情のコントロール法を見つける
性格が原因で気分にムラがある人は、感情のコントロールが効かなくなりそうになった場合は次の方法を試してみてください。
- 目を閉じてゆっくりと深呼吸をする
- 軽めのストレッチやマッサージをする
- ストレッサーから距離を取る
- 気持ちを落ち着かせるためのスイッチを用意しておく
深呼吸やストレッチ、マッサージには自律神経を整える効果が期待されます。自律神経の乱れによって交感神経が優位な状態が続いていると、興奮や怒りを感じやすくなります。気分にムラがある人は、意識的に自律神経を整えましょう。
気分の落ち込みや怒りを感じるのが、特定の人物や出来事によるものだとわかっている場合、原因となるストレッサーから離れるのもおすすめです。苦手な人とは無理に仲良くなろうとしない、力不足を感じる仕事について上司に相談するなど、気分が楽になる方法を考えてみてくださいね。
感情のコントロールが効かなくなったとき、できるだけ速やかに心を落ち着かせるための方法を見つけておきましょう。デスクに家族やペットの写真を飾る、お気に入りのアロマをハンカチに沁み込ませておくなど、気持ちのスイッチは人それぞれです。
オフィスレイアウトを見直す
職場環境を改善すると、メンタルの安定が期待できます。特にオフィスレイアウトに気をつけてみるのがおすすめです。オフィスレイアウトは、建築基準法・労働安全衛生法・消防法によって最低限の通路幅が規定されています。これら基準を満たしていたとしても、スペースに余裕がないオフィスやワークスペースはメンタルの不調を招きます。
オフィス自体の面積や間取り、スタッフの人数によって快適なレイアウトは異なりますが、下記を最低限の目安としてください。
- 1人分のワークスペースの目安
- 2〜4坪
- 通路の幅
- 1人が通れるのは60~90cm。理想的な通路幅はすれ違うことができる120~180cm
- 座席と壁の距離
- 90~160cm
耳栓や空気清浄機を活用する
仕事中に騒音や匂いなど、周囲の刺激が気になるときは耳栓や空気清浄機を活用しましょう。オフィスの明かりがまぶしいと感じる人は、サングラスの着用や雑光カット機能付きレンズを使用したメガネがおすすめです。
耳栓やサングラスの使用は、職場の責任者や上司に事前に相談しておくと安心です。耳栓やサングラスの着用をよく思わない人もいますので、しっかりと理解を得るようにしましょう。
職場やデスク周りを清潔に保ち、こまめに整理整頓する
部屋が汚いと、集中力低下や作業効率低下を招きます。すっきりした部屋が仕事に向いているのは、視覚情報が過剰になっていないからです。散らかった部屋にいると視覚情報過多に陥り、気も散ってしまい感情も揺らぎやすくなります。
職場やデスクは定期的に掃除し、整理整頓を習慣化しましょう。好きなものや趣味に関するグッズを飾ることはモチベーションアップやリフレッシュにつながりますが、数が多くなりすぎないように気をつけてください。
仕事内容を見直す
仕事内容が自分の能力や適性に合っているか見直すことも効果的です。キャパシティーに対して仕事量が多すぎたり、スキルを活かすチャンスがない場合は上司に相談してみましょう。
気分にムラがあるのは病気が原因?
性格や職場環境、仕事内容が原因で気分にムラがある人に向けて、対処法を紹介してきました。さらに、病気が原因で気分にムラが発生していることも考えられます。
- 気分障害とは
- 過度に気分が落ち込む、または過度に高揚することが見られる場合、その他の症状を総合的に判断し、気分障害と診断されます。気分障害は、以前は「感情障害」と呼ばれることもありました。
気分障害では、抑うつ状態と躁状態が見られます。抑うつ状態だけが見られる場合は「単極性障害」いわゆるうつ病に分類されます。「双極性障害」では、抑うつ状態と躁状態が交互に現れます。
気分にムラの程度が激しい場合、気分障害を発症している可能性も考えられます。
「気分障害」の治療法って?
気分障害を発症している場合、専門医の診察を受けて治療を始めるのが安心です。
うつ病に対する治療法は、主に3種類です。
- 薬物療法
- 休養
- 精神療法
どれかひとつの治療法で改善が見られる場合もありますが、複数の治療法を組み合わせることも少なくありません。
双極性障害の場合の治療法も、基本的にはうつ病と同じです。しかし双極性障害では、躁状態の際に症状やトラブルを自覚できないことがあります。そのため、社会生活のリズムや対人関係の問題などに関して、専門家と共に改善に取り組む心理療法や社会的治療法がとられるケースも見られます。
- 薬物療法
- 休養
- 精神療法
- 心理療法
- 社会的治療法
気分のムラがあり、仕事や日常生活に支障をきたしている場合は、精神科や心理内科を受診し、専門医に相談してみましょう。
おわりに:気分のムラは克服も可能!原因ごとに改善・治療を試してみて
気分にムラがあると、仕事のデメリットが発生しやすくなります。仕事中に気分にムラが出てしまう場合、性格や職場環境・仕事内容、病気の発症など原因はさまざまです。原因に合わせた改善法を試し、メンタルの安定を目指すのがおすすめですよ。
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