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社会人のストレス管理は産業医やオンライン健康相談、メンタルヘルスケアアプリを活用しよう

産業医にメンタルの不調を相談する会社員 こころの不調
この記事は約12分で読めます。

ストレス社会とも呼ばれる現代社会で、社会人として働く人はなにかとストレスを抱えやすいものです。近年ではストレス管理もビジネススキルと言われるほど、社会人にとって欠かせないスキルの一つとなっています。

そこで、今回は仕事をする上でのストレス管理に携わる産業医の業務をはじめ、オンライン健康相談やメンタルヘルスケアアプリなどのセルフ・ストレスケアについてご紹介します。

この記事でわかること
  • 産業医がいる会社の規模や制度を利用できる人
  • 仕事以外の生活習慣の悩みも産業医に相談できる?
  • 産業医の専属と嘱託の違い
  • オンラインメンタルヘルスサービスのメリット
  • 心の不調の管理をサポートするおすすめアプリ

ストレスや悩みを抱えたときの相談相手はいる?医師に相談はしづらい?

厚生労働省が行った「労働安全衛生調査(実態調査、平成30年)」によると、現在の自分の仕事や職業における不安や悩みなどのストレスを抱えたとき、相談できる相手がいると答えた労働者は92.8%にのぼりました。また、その相手については「家族・友人」が最も多く、次いで「上司・同僚」となり、身近な人を相談相手として挙げる人が多く見られました

さらに、実際に自分の抱えるストレスについて相談した労働者は全体の80.4%で、その相手は「家族・友人」が最も多く、「上司・同僚」が次点でした。一方で、産業医・その他の医師・保健師や看護師・衛生管理者・カウンセラーなど、専門家を相談相手に挙げる人は少なく、実際に相談した、と回答した人は専門家全体を合わせても10.7%にとどまりました。

自分の抱えるストレスの相談先として、医師や専門家を選ぶ人はまだまだ少ない、というのが現状です。しかし、産業医などの専門家は、不安な気持ちや悩みを聞き、適切な対処法を提案してくれるプロです。身近な人への相談ももちろん大切ですが、心の状態に合わせて専門家に相談すると、不安や悩みの深刻化を防ぐことができるでしょう。

産業医への相談ってどんなことができる?

前述の専門家のうち、特に労働者のヘルスケアを行う専門家として挙げられるのが産業医です。特に、労働者が50人以上になる事業所の場合、産業医を選任して労働者の健康管理などを相談し、アドバイスをもらうことが義務づけられています。この人数要件は事業所単位であり、企業単位ではないことに注意しましょう。

さらに、この場合の「労働者」とは、短時間労働者や契約社員などの直接雇用者だけでなく、自社に派遣されている労働者も含みます。また、労働者数が50人未満の事業所でも、医師などにこうした役割を担ってもらうことが努力義務とされており、1,000人以上の大規模な事業場においては、専属の産業医を選任しなくてはなりません。

選任された産業医は、労働者が健康に就労できるような支援を行います。特に、法律上は以下の9つの業務が産業医の職務として定義されています。

  • 健康診断の実施と、その結果に基づく措置
  • 長時間労働者に対する面接指導と、その結果に基づく措置
  • ストレスチェックと、ストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導、その結果に基づく措置
  • 作業環境の維持・管理
  • 作業管理
  • 上記以外の労働者の健康管理
  • 健康教育、健康相談、労働者の健康を保持・増進するための措置
  • 衛生教育
  • 労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置

産業医はこれらの活動に加え、月に1回職場巡視を行うこと、衛生委員会に参加すること、長時間労働者に関する情報を把握することも業務に含まれます。こうした活動を通じて労働者の実態と現状を知ることで、より適切な健康管理を行えるのです。

産業医との面接ではストレスチェックやアドバイスを受けられる?

業務の中に「面接指導」とありますが、ストレスチェック後や長時間労働者に対する面接指導だけでなく、ときには健康相談、保健指導などで産業医が労働者に対して面接指導を行うこともあります。それぞれの面談で具体的にどんなことを相談できるのか、以下で見ていきましょう。

ストレスチェックの結果、高ストレス状態と判断された場合
ストレスチェック結果や、普段の勤務時間状況をもとに面談を行う
ストレスの持続時間(感じるかどうか、感じたときはどのくらい続くか)、ストレス症状の程度、業務上の悩みや苦痛、仕事や生活への支障、健康状態や生活状況の変化などを質問される
生活習慣では、アルコール・タバコ・運動・食生活・睡眠など。ありのままを答える
上記の回答をもとに、産業医から労働者は生活や業務上のアドバイスをもらい、会社側は意見をもとに必要があれば就業上の措置を行う
保健指導の面談
現段階では病気を発症していないものの、将来的に発症する可能性が高いと判断された人が受ける面談
生活習慣について話し、健康に影響している要因を見つけ、改善に向けての指導を受ける長期的な健康管理
産業医の業務に余裕がないときは、保健師に依頼することもある
健康診断後の面談
健康診断の結果、「要受診」「要医療」と診断された人に行われる
面倒臭い、どんな検査をするかわからなくて怖い、といった理由でなかなか医療機関を受診しない人も多い
産業医との面談で医療機関を受診する必要性を知り、不安を解消して受診のハードルを下げる
長時間労働者に対する面談
長時間労働者には、まず疲労の蓄積具合を確認する
労働時間以外にも、健康状況や生活状況(アルコール、タバコ、食生活、運動習慣、睡眠など)の変化はないかどうか質問される
上記の回答を受け、産業医から労働者は業務や生活においてのアドバイスをもらい、会社側は産業医の意見をもとに、必要なら就業上の措置を行う

このように、産業医は主に労働者本人との面談を通じて体調を確認しながら、会社にも働きかけ、業務を調整したり休職・復職支援などのサポートを行ったりします。つまり、直接主治医のような診断や治療を行うわけではありません。

そのため、生活指導や業務上の指導だけにとどまらず、本格的な医療行為の介入が必要だと産業医が判断した場合は、心療内科や精神科など専門の医療機関を紹介することになります。休職や業務調整などの必要に応じ、主治医に診断書を発行してもらうよう依頼することもあります。

産業医は忙しい?ゆっくり相談時間をとれないことも

前章でご紹介したように、産業医には「専属」と「嘱託」の2種類があります。1つの事業所に1,000人以上の従業員がいて、専属の産業医を置くよう義務づけられている場合は1人の産業医が1つの事業所を担当しますので、比較的余裕がある場合が多いです。

しかし、従業員が1,000人に満たない事業所ではほとんどが「嘱託」の産業医に依頼しており、その場合は1人の産業医が複数の事業所を担当しています。嘱託の産業医は限られた時間の中で多くの業務を行わなくてはならないため、どうしてもすぐに相談することや、ゆっくり相談することが難しい場合もあります。

オンラインで心と体の健康相談!おすすめサービスやアプリ

仕事におけるストレスケアは、まず産業医に相談するのがおすすめです。しかし、嘱託の場合は前述のように産業医の十分な時間がとれないことも考えられます。そこで、日常的な健康相談や、心身の不調があるけれど専門の医療機関を受診すればいいかどうか判断がつかない、といった場合にオンラインで手軽に医師に相談できるサービスを3つご紹介します。

心身の健康相談サービス①:健康相談ポケットドクター

健康相談ポケットドクターは、スマートフォンやタブレットのビデオ通話を使って医師に健康相談ができるサービスです。深夜や早朝など、一般的に病院が空いていない時間でも予約でき、全国から専門分野や性別などで合う医師を選べます。また、日々のバイタルデータを医師と共有すれば、日常の健康状態からアドバイスを受けることもできます。

ただし、病気を確定する診断や投薬などの治療行為は行えません。また、診療行為ではなくあくまでも相談なので、健康保険やその他、各種保険の適用はありません。診断を希望する場合は、姉妹サービスの「オンライン診療ポケットドクター」を利用しましょう。

利用料金は医師によって、1回の相談(最大10分間)につき2,980円または3,980円(いずれも税別)です。支払いはクレジットカードのみなので、注意しましょう。

心身の健康相談サービス②:first call

first callは、医師とチャットで健康相談ができるサービスです。より詳しく相談したいときは、15分間の相談ができる「TV電話相談」も利用できます。小児科・産婦人科・精神科・内科・眼科・整形外科・外科・がん診療科など全12科目を相談でき、月額550円でいつでも何度でも相談可能です。ただし、チャットの返信は2回までという制限がありますので、注意しましょう。

また、first callでは法人向けの産業医紹介サービスも提供しています。健康相談やストレスチェックつきで月額40,000円〜の低価格で利用でき、オンライン面談システムを利用すれば人事総務の手間を削減できるほか、従業員は24時間365日、いつでも気軽に専門医にチャットで健康相談を行えます。これから産業医を探そうと思っている人事や経営者の方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

心身の健康相談サービス③:クリンタル

クリンタルは、チャットボットや看護師による健康相談チャットや医師紹介サービスを利用できる医師検索サービスで、アプリでの展開もしています。心身の悩みや不安などをチャットで相談すれば、チャットボットが病院に行くべきかどうかをアドバイスしてくれたり、看護師が悩みに対する回答をしてくれたりします。近所で評判のクリニックを知ったり、他の人の相談内容を検索して参考にしたりすることもできます。

病院を受診したいときには、初めて受診する人に向けて近所のクリニックを症状や地域から検索できるサービスや、既に病名はわかっているので専門の名医を探したいという人向けの検索サービスがあります。ユーザー登録やチャットボットへの健康相談、検索は基本的に無料ですが、看護師に直接相談したい場合は有料の月額プランに加入する必要があります。

おすすめメンタルヘルスアプリでストレス管理

そもそも、自分がストレス状態にあるかどうか知りたい、自分でストレスチェックと管理をしたい、という場合はメンタルヘルスケアアプリが手軽です。以下に4つのアプリをご紹介しますので、ぜひ自分に合ったアプリを使ってみてください。

おすすめメンタルヘルスケアアプリ①:ストレススキャン

「ストレススキャン」とは、文字通りスマホのカメラで自分のストレス状態をスキャンできるという意味で名付けられたアプリです。医学的に実証されている「心拍変動解析(HRV)」という手法を元に開発されました。スマホのカメラに指を当てることで、心拍数の変化からストレスを測定します。測定にかかる時間は約2分間で、以下のように測定します。

ストレス指数が高い(交感神経が優位である)
心拍数が高い、変動がほとんどない
ストレス指数が低い(交感神経と副交感神経のバランスが良い)
心拍数が低い、変動が大きい

測定結果は5段階で評価され、カレンダー形式で自分のストレス状態の変化を把握できます。また、測定結果にタグ付けしておけば、どんなときにストレスが高くなるのかという傾向も把握しやすいです。継続してストレスチェックと記録を行うことで、ストレスを予測して回避したり、ストレスから早めに回復したりというストレスのセルフケアがしやすくなります

おすすめメンタルヘルスケアアプリ②:MIMOSYS

「MIMOSYS」とは「Mind Monitoring System」の頭文字をとったもので、「常に変化する心の状態を声から知る」という技術のことです。声帯の不随意反応に着目し、声の周波数の変動パターンから心の状態を分析します。

例えば、人前で発表するときに緊張して声が上ずってしまうなども不随意反応の一つです。こうした声帯の緊張は自分で操作することができません。つまり、意識的に記録したデータと異なりレポーティングバイアス(被験者自身による過小評価)がかからないので、より正確な心の状態を知ることができます。

さらに、MIMOSYSでは「元気圧」という計測時の短期的な心の状態と、「心の活量値」という過去2週間にわたる長期的な心の状態の2種類で測定します。

元気圧とは
健常者では、話す相手や内容によって高くなったり低くなったりする
メンタルヘルスが不調だと、感情の表出が乏しくなったり、話す相手や内容によって元気圧が上下しにくくなったりする
心の活量値とは
元気圧のように上下せず、一定の値を保った状態が理想的
心の活量値がだんだん下がってきた場合、心身のリフレッシュが必要と考えられる

このように、記録を続けることで心の活量値がわかります。もし徐々に下がっているとしたら、ストレス状態にあることが推測されますので、何らかの方法で心身のリフレッシュを行う必要があるでしょう。

MIMOSYSは医療機器ではありませんが、精度検証として「うつ病患者」と「健常者(病院にかかっていない)」の両方で心の活量値を測定したところ、両者をほぼ完全に分離することができました。つまり、MIMOSYSは高い精度で元気な人とそうでない人を分離できる、と言えます。

おすすめメンタルヘルスケアアプリ③:emol

「emol」は、かわいいサポートAIとチャットをしながら感情を記録し、後から振り返れるライフログ・メンタル分析アプリです。会話内容やユーザーの行動をもとにライフログを自動的に記録し、AIがメンタル状態をスコアリングしたり、アドバイスしたりしてくれます。

感情は9つ(いらいら、うれしい、かなしい、おだやかなど)から選べ、感じたことや思ったこと、吐き出したい気持ちがあればAIにチャットで話して記録を取れます。今していることや天気を記録するのも良いでしょう。記録は好きなときに振り返ることができますし、チャットではリラックスしたい、悩みを解消したいなど目的に合わせてAIと会話することもできます。

おすすめメンタルヘルスケアアプリ④:CARTE

ストレスがかかることで問題になるのが、自律神経という身体の機能を調節している神経のバランスが崩れ、「交感神経」という活動を司る神経が入りっぱなしになり、必要な休息がとれないことです。そこで、「CARTE」というアプリは自律神経を測定し、その活動量とバランスからインナーパワーというスコアを計算します。

測定後はカルテを作り、その状態に応じて自律神経を整えるおすすめのレッスンを紹介してくれます。自律神経の状態を記録するとともに、バランスを整えるためのレッスンでこまめにストレスを軽減していきましょう。

おわりに:日々のストレス管理には、アプリやオンラインを活用するのも手

何らかのストレスを抱えたとき、最初に相談するのは家族や友人、同僚など身近な人になってしまいがちですが、特に仕事上のストレスの場合、産業医などの専門家に相談して仕事や生活のアドバイスをもらうのがおすすめです。

また、日々のストレス状態を記録して管理したり、簡単な健康相談をしたりするにはアプリやオンラインサービスを活用しましょう。産業医への相談時間が確保できないときのセルフケアにも便利です。

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