何かに固執してそれしか考えられない!という状態は執着心が強い可能性があります。恋愛など人間関係はもちろん、お金に関することなど執着心が原因のトラブルはさまざまです。この記事では執着心が強いことのデメリット、執着心を手放す方法等を紹介します。
- この記事でわかること
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- 執着の意味と心の状態
- 執着心が強い人にありがちな傾向
- 仏教における我執と法執
- 執着心を手放すべき理由
執着とはどんな心理や行動?
執着とは、「一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと」(引用:コトバンク)という意味の言葉です。
何かにこだわってとらわれたり、そのことばかり考えてしまうような状態を執着といいます。似た言葉の「執念」という言葉からもわかるように、ものごとにとらわれ、望むと望まざるを問わず離れられずにいる状態です。
執着の対象は、自分自身であったり、他人や物事の場合もあります。「肩書きに執着する」「恋人に執着する」「お金に執着する」など、さまざまな執着のケースが見られるでしょう。
仏教では執着は苦しみの原因とされる!
執着は、仏教においても重要な意味を持ちます。仏教では「しゅうじゃく」と読みます。また、「我執」と「法執」は、執着にかかわる仏教の教えです。
- 我執とは
- 自分自身に執着してとらわれること
- 法執とは
- 自分以外のものや人に執着してとらわれること
仏教ではこの世のものはすべて変化していく、諸行無常だという考えがありますよね。それに対し、いつまでも何かに固執してしがみつく執着は、生きる苦しみを生むと考えられています。
たとえば血の滲むような努力で得た肩書きに執着したものの、社会情勢の変化や自身の年齢によって、その肩書きそのものの意義も変わるはず。変化に気付かず執着し続けていると、空しさを感じたり空回りしたりしてしまいます。生きづらさを感じている人は、もしかすると執着心が原因かもしれません。
執着心が強くて生きづらい人の特徴
執着心が強い人は、仕事でもプライベートでも生きづらさを感じがち。執着心が強い人には次のような特徴が見られるでしょう。
- 執着心が強い人の特徴
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- 過去を振り返ることが多い
- 現時点に満足できていない
- 比較癖がある
- 支配欲が強い
- 視野が狭い
- 思い込みが強い
- 自己肯定感が低い
- 孤独を感じやすい
過去に囚われがち
執着の対象が過去の成功や思い出、人間関係のケースは少なくありません。同じ瞬間を繰り返すことはできないのに、「あの頃はよかった」と現在と比較しがちです。現状に不満がある場合も、こうした傾向が強くなるでしょう。
こうと決めたら一直線
他人に決めてもらうよりも、自分で全てを把握してコントロールしたいタイプの人も執着心が強くなりがちです。「〇〇すべき」「〇〇が当たり前」というように、マイルールが常識だと考える傾向も強いです。
自己肯定感が低く自信がない
「自分なんてダメだ」と考えることの多い、いわゆる自己肯定感が低くて自信がないタイプも、執着心にとらわれるリスクが高めです。自信のなさゆえに、「この恋人を手放したら、次の恋のチャンスなんてない!」「今の肩書きにしがみつかないと未来はない」と思い詰めた結果、強く執着してしまうケースがあります。
人が離れる原因は執着心かも…?!
執着心の怖さは、視野が狭まって自分自身も他人のことも追い詰めがちなところです。執着心が行き過ぎて深刻になると、過干渉や束縛、モラハラ、DVに発展するおそれがあります。
すると感情のコントロールが難しくなり、大切な人にも怒りや不満をぶつけたり、無理難題を要求してしまいます。「会話が成り立たない」「一緒にいると疲れる」と周囲の人から思われることも多く、どんどん人が離れていくことも。
生きづらさや人間関係の難しさを感じている場合、執着心を手放すことを意識してみましょう。
執着心を手放して自分もみんなも楽になる方法
執着心を上手に手放すことができると、ご自身はもちろん周囲の人も気持ちが楽になります。今日からでもできる方法で、執着心を手放していきましょう。
気持ちをノートに書き出す
執着心が強いあまり周囲の人を巻き込んでしまうタイプの人は、気持ちを人にぶつける前に整理整頓する習慣をつけましょう。自分の気持ちをノートに書き出すと、「私はこんな風に考えていたんだ」ということに気づきます。
書くだけでも気持ちがスッキリすることもありますし、誰かに気持ちをわかってほしいと思ったときも、言葉でのコミュニケーションが比較的スムーズになる効果が期待できます。気持ちの整頓が追いつかず、執着心に突き動かされることを予防・改善したい人におすすめです。
未来に向けた夢や目標を作る
過去にこだわり過ぎるタイプの人は、未来に向けた夢や目標を描きましょう。過去に戻ることはできませんが、これからの未来の幸福感や満足感を上げることはできるはず。ただし大きな夢や目標を掲げると挫折しやすくなります。
大きな夢や目標を設定したら、そこにたどり着くまでのスモールステップも細かく設定してみてください。小さな達成感を積み上げることで、徐々に自信を持てるようになるでしょう。
傾聴力を磨く
執着心が強い人は、視野が狭く思い込みが強くなりやすい傾向もあります。この状態から抜け出すには、他の人の考えや価値観を知ることが第一歩です。まずは人の意見や考え、気持ちに耳を傾けましょう。自分の話を聞いてほしいと思ったときも、相手の話を遮らないことを徹底してくださいね。
お寺の法話を聞きに行く
執着心を手放したいと思ったら、お寺の法話を聞きに行くのもおすすめです。法話とは、仏教の教えをお寺の住職がわかりやすくお話ししてくれることです。法話を聞けるお寺を訪問し、法話を楽しんでください。お寺の法話というと真面目で堅苦しいというイメージがあるかもしれませんが、ユーモア混じりの法話で大人気のお寺もあります。楽しくお話しを聞きながら、執着心を手放すヒントを見つけましょう。
カウンセリングを受ける
執着心の強さから過干渉やモラハラをしたり、心の不調を感じている場合は、早めに専門家のサポートを受けましょう。心のトラブルと向き合ったり、執着心のほぐし方のアドバイスをしてもらえます。忙しい人はオンラインカウンセリングサービスを受けるなど、ライフスタイルに合った方法がおすすめですよ。
おわりに:執着心を手放して軽やかに生きよう♪
強すぎる執着心のデメリットは、自分だけではなく周囲の人にも負担をかけることがあります。執着心を手放して、心軽やかに生きる方法をぜひ見つけてくださいね。
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