「辛くても耐えなきゃ」「逃げは負けだ」という考え方もありますが、逃げることで得られるメリットもあるはず。この記事では逃げるべき状況の例、逃げ癖のデメリットを解説しつつ、逃げていいときと逃げちゃダメなときを見極める方法を解説します。
- この記事でわかること
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- 「逃げ」が悪い選択とは限らない理由
- ハラスメントから逃げることの意義
- 耐えることで生じるリスクやデメリット
- 逃げるタイミングを見極めるために必要なこと
辛いことから逃げるのは悪いこと?
「石の上にも三年」という言葉があるように、辛くとも辛抱することが大切という考え方もありますが、近年は撤退や方向転換、つまり「逃げる」タイミングを見極めることが重要だと考えられるようになりました。
特に、仕事でパワハラやセクハラの被害を受けていたり、家庭でDVやモラハラをされている場合、速やかに加害者から距離を取って心と体を守ることが大切です。「私が我慢すれば済むこと…」と耐えているうちに、取り返しのつかない事態になることもあります。
近年は情報化が進み、法律や権利について情報を得やすくなりました。トラブルに陥ったときに、自分を守るための選択肢も増えています。責任感などから「逃げちゃダメ」と考えることもあるでしょう。ただし、必ずしも逃げることが悪いとは限らないのです。
逃げる判断が必要なのはどんなとき?
ひたすら耐えるよりも、逃げること・方向転換することが必要な状況もあります。次のようなケースでは、耐え忍ぶ以外にどんな選択肢を持っているか考えてみることをおすすめします。
パワハラやセクハラを受けている
会社の上司からパワハラを受けている、取引先からセクハラされるというケースでは、心身のダメージが大きくなります。もちろん、ハラスメントを相談して状況を解決するという方法もあります。
一方で、加害者に立ち向かうことが難しい人もいるでしょう。相談窓口やしかるべき専門家に相談しつつ、ご自身を守るために加害者から逃げるという選択肢が必要になることもあります。たとえば担当するプロジェクトを変えてもらう、休息を取るなどの方法も検討してみましょう。
家庭内DVやデートDVをされている
DVは命の危険にも関わります。DVの被害者は「自分が悪い」と思わされるケースもありますが、おかしいと感じたら相手から距離を取ることが重要です。
体の不調・異変が発生している
悩みやストレスを抱えていると、体にサインが現れることがあります。頭痛や腹痛、不満などの異変に気づいたら、体や心が休息を欲している可能性が考えられます。「まだ大丈夫」と思っていても、体が先にサインを出すケースもあるでしょう。
心の不調が出ている
やる気が出ない、抑うつを感じるなど、心の不調が出ているときも要注意。頑張り続けたり耐えることがさらなる負担になることもあります。
「逃げ癖」が付くデメリットとは
人生には逃げる必要があることを紹介してきました。一方で「逃げ癖」が付くデメリットもあります。
際限なく自分に甘くなる
辛いことがあったとき、果たしてその辛さの原因が環境や他者にあるのか、自分自身にあるのかの見極めが大切です。
自分のわがままや無責任が原因なのに逃げることを続けていると、成長できず学びを得られないままになってしまいます。
可能性やチャンスを逃す
世の中には未知のことがたくさんあります。時代の変化と共に新しい技術や価値観も生まれます。「わからないことや不慣れなことは嫌だ」「自分が望まないことは欲しくない」という気持ちで逃げていると、可能性を広げるチャンスを掴めません。
ライフプランやマネープランが限られる
転職を繰り返す、資格取得を諦める、人と向き合うのを恐れて逃げるなども、逃げ癖につながりやすい行動です。スキルやキャリアを積めず、貯蓄や資産が貯まりにくくなるでしょう。他人から逃げていると、友人や恋人を作れず孤独に陥りやすくなります。
逃げていいとき・ダメなときを見極める方法
ストレスやトラブルに直面したとき、逃げていいのか・ダメなのかを見極めることが大切です。安易に逃げ癖を付けないためにも、下記のことを意識してみましょう。
常識や教養を身に付けよう
物事を判断する上で、常識や教養は欠かせません。状況判断や解決策を考える土壌になり、自分の可能性を広げられます。ニュースに目を通す、一般常識やビジネスマナーを身につけるなどに取り組みましょう。情報源はひとつに絞らず、複数の情報源を比較してみると視野が広くなります。
法律や条例、お金の知識を学ぼう
ハラスメントやDVの場合、法律や条例の知識があると対策を考えやすくなるでしょう。客観的に状況を見ることにも役立ちます。ライフプランやマネープランを立てる際にも、法律やお金の知識は役立ちます。自分が選んだ選択によってどのようなメリット・デメリットが生じるか考えるためにも法律やお金の知識が必要です。
第三者に相談する
ご自身の気持ちやストレスによる影響も大切ですが、第三者からのアドバイスや分析に役立ちます。ご自身が置かれている状況を説明し、「あなただったらどう思う?」というように聞いてみましょう。共感してくれたり背中を押してくれる意見もあれば、「なるほど、そういう考え方もあるか」と視野を広げるきっかけにもなります。
専門家や相談窓口を活用する
法律トラブルやハラスメント、DVなどは、自分ひとりで悩んでいると混乱してしまうことも。警察や弁護士などに相談したり、各種窓口を活用してください。
心身の不調は医療機関を受診する
ストレスなどによって心身の不調が出ている場合、早めに医療機関を受診しましょう。放置していると治療が長引いたり、さらなる疾患を引き起こすことも。心身の不調が悪化すると、「逃げようにも逃げられない」「逃げたくないのに逃げざるを得ない」という悪循環につながることがあるため注意してください。
おわりに:頑張るタイミングは“今”だけじゃない!逃げるタイミングを見極めよう
逃げることのメリットや逃げ癖のデメリットを解説しました。「逃げ」は再挑戦や方向転換の出発点の場合もあり、悪いこととは限りません。自分の選択に自信を持つためにも、逃げるタイミングをしっかりと見極めましょう。
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