職場に余計な一言が多い人、言わなくていいことを口に出さずにはいられない人はいませんか? この記事では思わずイラっとする余計な一言の例、セクハラやパワハラに該当する可能性がある余計な一言の例などを紹介します。アスペルガー症候群を原因とする可能性も含めて、接し方のポイントなどを考えていきましょう。
- この記事でわかること
-
- 余計な一言が多い人のタイプ
- 人を不快にさせる余計な一言の例
- 余計な一言がハラスメントに該当するときの対処法
- 発達障害のコミュニケーションにおける特性
職場にいる余計な一言が多い人の特徴・タイプ
職場に「それは言わなくていいのに」ということを口にして、雰囲気を台無しにしてしまう人はいませんか? 余計な一言が多い人には、次のような特徴やタイプが見られます。
- 余計な一言が多い人のタイプ
-
- 沈黙や間が苦手で黙っていられないタイプ
- 誰かのフォローのつもりで失言をするタイプ
- 思ったことがすぐ口に出るタイプ
- 自称サバサバ系のタイプ
- 毒舌・辛口が癖になっているタイプ
- 本人はジョークのつもりのタイプ
- 正直なことが正義だと思っているタイプ
- 知ったかぶりをしてしまうタイプ
- 何かにつけて自慢をするタイプ
- 言ってはいけないことがわからない天然タイプ
- 他人の気持ちに鈍感なタイプ
人をイラっとさせる余計な一言の例
余計な一言を言われると、イラっとしたり傷ついたりすることがあるかもしれません。たとえば下記のような余計な一言には、ネガティブな気持ちが湧いてしまうことも。
- 余計な一言の例
-
- 「大丈夫ですか?」「休んだ方がいいよ」と過剰に心配する
- 人を褒めるとき、「見た目の割に、仕事が早いね」
- 人を評価するときに、「電話対応だけは上手だよね」
- 誰かがミスをしたとき、「次は気をつけてね。私ならしないミスだけど」
- 仕事を頼まれたとき、「わかりました。今忙しいけどやってあげます」
余計な一言は、いわば余計なお世話であることがあります。相手を心配する言葉でも、行き過ぎた声掛けは余計な一言として感じられることがあるでしょう。
人を褒めたり評価したりするときも、余計な一言を言わずにはいられない人がいます。嫌味な言い方をされると、「褒めたいの? けなしたいの? どっち?」とイラっときてしまうのも仕方ありません。自慢や上から目線、マウンティングを込めた一言も、人をイラっとさせたりモヤっとさせがちです。
余計な一言がハラスメントになることも!
仕事はさまざまな人が関わって成り立っていますよね。余計な一言は、同僚や上司、取引先、顧客などのステークホルダーに不快な思いをさせたり、激怒させてしまうことがあります。
余計な一言がセクハラになるケース
独身の部下に「君の仕事ぶりには満足しているよ。あとは結婚だな」と言うなど、余計な一言がセクハラに該当することもあります。業務に関して、不必要なのに性別に結びつけるような発言は、セクハラとしてみなされる可能性があるでしょう。
余計な一言がパワハラになるケース
人格否定につながる余計な一言は、パワハラに該当する可能性があります。たとえば休日出勤を依頼するときに、「来週、休日出勤してくれないか? どうせ一緒に遊ぶ友人もいないだろう」という余計な一言を付けたとしましょう。これはプライベートへの過干渉であるとともに、人格否定につながります。
特に毒舌や辛口を自分のキャラクターだとして甘く見ている人、自称サバサバ系の人、本人はジョークのつもりの人などは、パワハラやセクハラに気をつけるべきでしょう。
余計な一言がマタハラになるケース
妊娠・出産後も仕事を続けている女性に対して「すごく頑張るね。私なら子どもがかわいそうだから専業主婦になるのに」などの余計な一言は、マタハラとして訴えられかねません。育休を取得しようとする男性に嫌味な一言を言うことは、パタハラ(パタニティ・ハラスメント)に該当する可能性があります。
職場の余計な一言が多い人への対処法
職場に余計な一言が多い人がいると、報連相や雑談のときに疲れてしまいますよね。余計な一言が多い人とのコミュニケーションでは、以下のことを意識してみましょう。
聞き流す
最も穏やかな対処法は、余計な一言が多い人の話を聞き流すことです。業務上必要な話は聞きますが、その他のことを話し始めたら「また何か言ってるなぁ」と頭の中でスイッチを切り替えます。
慣れないうちはなかなかうまくいきませんが、程よく相手の話を聞き流すことができるようになると、人間関係をギクシャクさせずに対処することができますよ。
業務上必要なやり取りはメッセージで!
余計な一言が多い人とのやり取りは、極力メッセージで済ませるようにしましょう。余計な一言は、口頭のコミュニケーションであることが多いはず。むしろ余計な一言が多い人ほど、メッセージなど書面のやり取りでは丁寧なケースも。
もしもメッセージでイラっとする余計な一言を言われた場合、書面という証拠に残っていますので、ハラスメントかどうかを第三者に判断してもらう良い材料になるでしょう。
リアクションは最小限に抑える
余計な一言が多い人の中には、言ったことにリアクションが来れば来るほど嬉しくなってしまう人がいます。このタイプの人は、自分が言ったことは正しいと思い込んでいたり、ジョークだからと軽く考えていることが多いでしょう。
自分が言ったことがウケない、共感してもらえないとわかったら、相手も違和感を覚えて接し方を変えることがあります。
ビジネスマナーの観点から指摘する
余計な一言が多い人を指導・注意した方が良いケースもあります。仕事における余計な一言は、時には取引先や顧客の気分を害してしまうことがあるからです。
天然なタイプや他人の気持ちに鈍感なタイプは、悪いことを言っている自覚がありません。下記のようなケースに当てはまる失言の場合、誰かが指摘することで改善へと向かうこともあります。
- 注意が必要な余計な一言のタイプ
-
- 人を不快にさせている
- 取引先や消費者との信頼関係を損ねている
- チームワークを乱す原因になっている
- 相手への敬意が足りない
- 自分のことばかり考えている
上記のような失言をしている人を放置していると、取引先や顧客との関係悪化、チームの士気低下などの事態を招くおそれもあるでしょう。「気づいていないかもしれないけど、ちょっと言葉の選び方を考えてみよう」など、何が問題なのか一緒に考えてあげると伝わりやすくなりますよ。
コミュニケーションスキルアップ研修を実施する
余計な一言が多い人は、コミュニケーションスキルが低いのかもしれません。職場におけるコミュニケーションスキルとは、一緒に仕事をする上で業務上必要なことを伝える力、相手の意見を聞く力、人間関係を良好に保つ力などです。
コミュニケーションスキルが低いと、その場面において何が適切な言葉なのか、言ってはいけない言葉はどんなことなのか、上手に判断できなくなってしまいます。コミュニケーションスキルはすでに十分高い人もいれば、これからどんどん伸びていく人もいます。
会社が社員に対してコミュニケーションスキル研修を実施することも珍しくありません。チームワーク向上や顧客満足度向上のためにも、コミュニケーションスキル研修を実施するという方法もありますよ。
余計な一言が多い人はアスペルガー症候群かも?
余計な一言が多い人や失言が多い人は、発達障害が原因の可能性があります。アスペルガー症候群とは発達障害の一種です。アスペルガー症候群の特性の中に、人とのコミュニケーションで困りごとを抱えやすくなるものがあります。
- アスペルガー症候群の特性
-
- 人の気持ちを理解するのが苦手
- 共感力が薄い
- 遠回しな表現や文脈の理解が苦手
- 比喩や皮肉、ユーモアを理解することが苦手
- 相手が言われたくないことをはっきり言う
- 会話の流れや場の空気を気にしない
- 特定の分野に強いこだわりや興味を持っている
- 自分の話・自分が興味のある話ばかりする
- 相手の言動に過敏で傷つきやすい
- ルーティンやパターン化された行動を好む
- 急な依頼に柔軟に答えることが難しい など
アスペルガー症候群のほか、ADHDや自閉症スペクトラムの人も自分がしゃべりたいことを話し過ぎるなど、コミュニケーションに特性の影響が現れる場合があります。発達障害を完治させる治療法は現在はまだ確立されていません。薬物療法やトレーニング、カウンセリングなどを行い、困りごとを改善していくことが理想的です。周囲の人は発達障害の人達に対して適切な配慮をすることが求められます。
たとえばルーティンを崩されたときに余計な一言を言うようであれば、余裕を持って仕事を依頼する、曖昧な表現を使わずに要点を説明するなどの対処を取ってみてください。
アスペルガー症候群について知識を増やしたい
「職場のあの人はもしかしたらアスペルガー症候群かも?」と感じたとき、どんな配慮が必要なのか、どのような距離感で接するとお互い心地よいのかを考えるためにも、アスペルガー症候群について知識を増やすのがおすすめです。こちらの記事ではアスペルガー症候群の特性や接し方のヒントを紹介しています。
▼ 😀 commu(でぃーこみゅ)「アスペルガーの人に現れやすい特徴と3つ組の障がいと特性とは?」
おわりに:余計な一言には大人の対応を心がけよう
職場にいる余計な一言が多い人に対しては、冷静な対応を心がけましょう。発言内容がハラスメントに該当するときは、上司や人事部、相談窓口を頼ってくださいね。
コメント