仕事をしていると愚痴や相談の聞き役になることもありますよね。ところがしょっちゅう「会社を辞める!」と口にする人がいると、振り回されたりストレスを感じたりすることも。この記事では「辞める辞める詐欺」をする人の心理や特徴、上手な対処法などを解説します。
- この記事でわかること
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- 辞める辞める詐欺をする人の心理
- 辞める辞める詐欺にストレスを感じる理由
- 職場の辞める辞める詐欺をする人への接し方
- 辞める辞める詐欺に振り回されないためのコツ
職場にいる「辞める辞める詐欺」とは?どんな特徴がある?
同僚や後輩に、しょっちゅう「もうこの会社を辞める!」と口にする人がいるかもしれません。そうした人は「辞める辞める詐欺」と呼ばれることがあります。
- 辞める辞める詐欺とは
- 「会社を辞める」と頻繁に言う、「会社を辞めようと思っている」と人に何度も相談するものの、退職をしない人。退職をちらつかせることで、周囲を悩ませたり動揺させたり、相談のための時間を割かせる傾向が見られる
詐欺という言葉は比喩ですので、実際に辞める辞める詐欺という罪があるわけではありません。ただし、辞める辞める詐欺に対してはネガティブなイメージが抱かれることが多いでしょう。これは、「辞める」と言って周囲を心配させておきながら、本人はけろっとして会社に居続けることなどから、信頼が低下するためです。
辞める辞める詐欺をする人の心理や特徴とは?
辞める辞める詐欺をする人の心理や性格には、どんな特徴があるのでしょう。
- 辞める辞める詐欺をする人の特徴
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- 会社や業務内容に不満がある
- 単なるストレス発散として、「辞める」と言っているだけ
- 「辞める」と言うことで、会社を動揺させたい
- 言葉で説明するのが苦手で「辞める!」と感情的に訴えがち
- 周囲から心配されたい・構ってほしい
- ネガティブ・自分に自信がない
- 褒められたい
- 承認欲求や自己顕示欲が強い
- 自己評価と他者評価の間に大きなギャップがある
- 話を盛る傾向がある、大げさに話すことが多い
- 「辞める」と言いつつ、会社や上司の出方を伺いたい
- 退職や転職に対して不安があり、行動に移せない
辞める辞める詐欺をする人は、ストレスを感じたときやイライラしたときに、感情をコントロールするのが苦手かもしれません。「自分はこんなに頑張っているのに!」「もっと私に感謝してほしい」という気持ちが強い人は、辞める辞める詐欺をすることによって慰めの言葉や感謝の言葉を狙っているケースも。
駆け引きとして「辞める」という言葉を使う人もいます。会社としては退職者が出ることは損失です。そのため「不満があるなら聞くから辞めないでほしい」と会社が提案するよう、駆け引きをしている可能性も考えられます。中には本当に退職・転職を検討しているが、行動に移せずにいるケースもあるでしょう。
辞める辞める詐欺をする人は被害妄想強めかも!
辞める辞める詐欺をする人の中には、被害妄想が強めな人もいます。業務上必要な指導やアドバイスでも、「ひどく叱られた!」と憤慨したり、「どうせ私なんて誰からも評価されていない…」と落ち込みすぎることも。気分が下がったときは「もう会社を辞める!」と口にする傾向があるかもしれません。
被害妄想が強い人への対応を誤ると、加害者扱いされたり延々と愚痴を聞かされたりしてしまいます。こちらの記事では被害妄想が強い人への接し方について解説しています。
辞める辞める詐欺をする人ほど辞めないのはなぜ?
辞める辞める詐欺をする人に不信感を抱いてしまう理由は、辞めると言っている割に退職しない・退職する気配も一向にしないからですよね。必ずしもではありませんが、「辞める」という人ほど会社に居続ける傾向も見られります。
そもそも退職の一般的な流れは、まずは退職の意向を上司に伝えることが必要です。誰かが退職するという場合、その情報は慎重に取り扱われます。人が辞める分、新しい人材を募集するのか、社内で業務を分担するのかなど、さまざまな調整や処理が進められます。
つまり、人が会社を辞める際にはさまざまな業務が発生し、周囲の人を不安にさせる可能性があるのです。そのため、上司や人事以外の人に退職を発表する時期は、本人の意向だけで決められるとは限りません。
ですから、むやみに「辞める!」と口に出している段階では、退職について実際に動き出しているとは言えないのです。もしも上司や人事部と退職について話し合っているのであれば、人事に関する情報を軽々しく話すのは望ましいとは言えません。
辞める辞める詐欺をする人への対処法
職場に辞める辞める詐欺をする人がいると、ちょっと疲れてしまいますよね。仕事で嫌なことがあるたびに「辞める!」と言う人がいると、周囲がその人を気遣ったり、腫れ物扱いするようになったりすることも。すると、辞める辞める詐欺をする人に頼むべき仕事のはずが、周囲の人にシワ寄せが来るなどデメリットも生じやすくなります。
辞める辞める詐欺をする人が「こんな会社辞める!」と言い出した場合、どんな対処法を取るのが良いのでしょう。
引き止める・褒める
辞める辞める詐欺をする人の中には、「あなたが必要」「あなたのおかげでいつも助かっている」という言葉が欲しいだけの人が少なくありません。誰かに認めてほしかったり、褒めてもらいたい気持ちが、辞める辞める詐欺へとつながっているというわけです。
仕事の頑張りを褒める言葉などをかけることで、辞める辞める詐欺をする人の気持ちが落ち着くことがありますよ。ただし毎回辞める辞める詐欺をする人に付き合う必要はありません。あまり優しくしすぎると愚痴がエスカレートしたり、いいように利用されることもあるでしょう。
辞めたいという言葉をそのまま受け入れる
辞める辞める詐欺をする人に疲れている場合、相手の「辞めたい」という言葉をそのまま受け入れてみましょう。「転職でキャリアアップもあり得るよね」「〇〇っていう転職エージェントが評判いいらしいよ」「退職してひと休みするのもいいかも」など、退職・転職を前向きに励ましてみてください。
相手が退職するつもりのない人だった場合、焦って「冗談だよ!」「でも転職も大変だし」など、前言撤回するでしょう。こうしたやり取りを何度か続けると、相手も気まずくなって辞める詐欺を控えるようになるはずです。
ただし、転職や退職を無理におすすめするのは危険です。人間関係のトラブルに発展するおそれがありますので、あくまで相手の気持ちを尊重したかたちで同調しましょう。
「私はこの会社(仕事)好きだよ!」とポジティブに返す
辞める辞める詐欺をする人は、会社や仕事に対する不満を大げさに言っているケースもあります。こうしたケースに同調し過ぎると、辞める辞める詐欺がエスカレートすることも。
辞める辞める詐欺をする人の言い分に疑問を感じた場合、「そうかなぁ?私はこの仕事が好きだよ」「この会社でチャレンジしたいことがあるんだ」など、ポジティブな意見を伝えてみましょう。会社の良いところや仕事のやりがいに、相手が気づく可能性があります。
ただしあなたも会社や仕事に不満を抱えている場合は、無理にポジティブに返答しなくても構いません。
愚痴の延長だと捉え、聞き流す
辞める辞める詐欺をする人の中には、「仕事に疲れた」「上司がむかつく」「待遇に不満がある」などの愚痴を、「仕事を辞めてやる」という言葉で表現しているだけの人もいます。つまり大げさに言ったり、話を盛ることが癖になっているのです。
本当に退職・転職を考えている人は、そのためのリサーチや準備を進めるはずですよね。行動が言葉に伴っていない場合は、「辞めたい」という言葉を聞き流すという方法も検討しましょう。
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辞める辞める詐欺をする人を辞めさせることはできるの?
退職の意思表示は、書面でなくても成立することをご存知ですか? 口頭、つまり「この会社を辞める!」と言っただけでも意思表示としては成立します。使用者(会社側)の承諾がなされれば、合意による退職が成立するのです。
ただし、口頭の意思表示のみの場合は「あれは本気ではなかった」など、退職の意思表示の撤回を主張されるケースもあります。会社の就業規則で、退職時は退職届または退職願といった書面の提出を定めている場合は書面が必須となるでしょう。法律トラブル回避のためにも書面による確認が必要であり、退職届などが求められるのです。
「そんなに辞める辞めると言うなら退職すればいいだろう」と判断する前に、相手が何に対して不満を抱いているのかなどヒアリングすることで、誠実に話を進めることができるでしょう。ヒアリングした結果、平和的にお互いが良い方向に進むということも十分期待できます。
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おわりに:辞める辞める詐欺をする人とは程よい距離を保とう!
辞める辞める詐欺をする人は、実は本当に退職をしたいと考えているわけではないことも。退職や転職は基本的には本人が責任を持って決断することですので、「仕事を辞めたい!」と頻繁に口にする人がいたら、あまり重く受け止めずに程よい距離を保つのが安心ですよ。
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