ルームシェアは、都市部に住む若い世代を中心に近年注目を集めている暮らし方です。今回は楽しく安全にルームシェアをするためのポイントを紹介します。ルームシェア向けの物件やルームメイトの探し方、向いている人の特徴や、トラブルを避けるためのルール決めのコツをチェックしましょう。
ルームシェアの魅力って?楽しいことばかりじゃない?
ルームシェアのメリットは多くありますが、特にプラスになるものには以下が挙げられるでしょう。
- ルームシェアのメリット
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- ルームメイトの人数が増えるほど、家賃や食費、光熱費を安く抑えられる
- 一般的なひとり暮らしと同じくらいの家賃を支払えば、より条件の良い部屋に住める
- 家具や家電の予算も大きくなり、ひとり暮らしでは買えないような良いものを使える
- 共同生活でコミュニケーションが生まれる
- 体調が悪いとき、買い忘れがあったときなど、ルームメイトと助け合える
- 共有スペースの掃除や家事は基本的に分担制とすると、ひとりひとりの家事負担を減らせる
- 互いの友人と知り合う機会も多くなるため、交友関係が広がりやすい
- 共同生活を通して他者の価値観を知り、身をもって世界の多様性を知ることができる
- 家に誰もいない時間が少なく、防犯面で安心感が大きい
上記を見る限り、少ない予算・家事負担で暮らせるルームシェアは、友人たちと楽しく過ごせる生活のように感じられますね。
しかし、ルームシェアも良いこと・楽しいことばかりではありません。ルームシェアをすることで被るかもしれないデメリットとしては、以下が挙げられます。
- ルームシェアのデメリット
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- 家賃や光熱費の未払い、ルームメイト間の借金など金銭トラブルが起こりやすい
- 時間や電気、水の使い方など、生活するうえでの基本的な価値観が合わないことから、ケンカが起こりやすい
- ひとり暮らしやカップルでの同棲に比べ、友人同士のルームシェアは家賃滞納や対人トラブル、騒音トラブルが発生するリスクが高いため、入居審査が通りにくい
- 誰かが家にいることが多く、ひとりで過ごすプライベートな時間は取りづらい
- お風呂やトイレは共用なので、自分の好きなタイミングで使えないことも多い
- 他の住人の許可なく、自身の友達や恋人、家族を家に呼ぶことはできない
ルームシェアの相手の探し方って?
ルームシェアを成功させるには、前章で紹介したルームシェアのデメリットを回避すべく、対策を取っておく必要があります。
まず共に暮らすルームメイトは、以下を基準に探すのがおすすめです。
- ルームメイトを探すうえで、基準とするべき項目
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- 金銭感覚が近いかどうか
- 衛生観念が近いかどうか
- 互いの得意を活かし、支え合って暮らしていけそうか
ルームシェアでは、光熱費など基本的な生活費を折半するのが一般的になります。一方が節約志向なのに、もう一方に節約への意識がまったくない場合、一緒に使った光熱費の総額を折半するのは納得できませんよね。
また一方がきれい好きで、もう一方が掃除嫌いであるなど衛生への感覚のズレが大きい場合も、一緒に暮らしていくだけで多大なストレスを抱えることになります。
ルームメイトの人柄や相性は、お互いが快適な毎日を送れるかを大きく左右します。できれば衛生感覚や金銭感覚が近く、気心が知れていて信頼できる友人、知人、同僚が理想的です。
なお、自身と異なる性格や衛生観念の人物でも、互いの得意・不得意を補い、無理なく支え合いながら暮らしていける相手なら、相性の良いルームメイトとなってくれますよ。
ルームシェアにおすすめの間取りとは
物件は、ルームメイトそれぞれのプライベート空間である個室と、共有スペースを確保できる間取りがおすすめです。以下に、2人でのルームシェアにおすすめの間取りと特徴をまとめていますので、参考にしてくださいね。
ルームシェアに向いている間取り
- 2K・3K
- 居室とキッチンスペースで構成される部屋のこと。ダイニングやリビングなど、共有スペースとしての部屋はない。
- 2DK・3DK
- 居室に加え、ダイニングスペース付きのキッチンで構成される部屋。ダイニングキッチンには6~10畳のスペースがあることが多いため、各個人の居室の他にダイニングテーブルを置いた共有スペースを確保できる。
- 2KDK・3LDK
- 居室に、リビングダイニングキッチンが付いた部屋。10畳以上のキッチンスペースがあるのが一般的で、キッチンから続く大きな部屋にダイニングテーブル、ソファを設置した共有スペースを作れる。
ルームシェアで節約!家賃や生活費の折半はどうする?
ルームメイトとの家賃や光熱費の折半方法には、以下3つのパターンが考えられます。
- 完全折半
- 家賃と光熱費の総額を、ルームシェアをする人数で割って平等額負担するパターン。ルームメイト同士の収入にほとんど差がない場合に適した方法で、互いに他者へ引け目を感じることなく、対等に暮らしていけるのがメリット。
- 所得額や専有面積をもとに按分
- 個人の所得額や、個室の広さなどを基準に負担する家賃・生活費の額を変えるパターン。ルームメイト同士の収入格差が大きい場合や、物件の間取りの関係上、明らかに専有面積の広いルームメイトが出てくる場合におすすめ。
- 役割や得意分野により、負担する費用を変える
- それぞれの暮らし方や得意分野に合わせ、負担する費用名目や金額を変えるパターン。例えばルームメイトのうち、家事負担の大きい人物が食費や雑費を支払い、他の人が家賃と光熱費を支払う、食費は各自で実費を負担するなど。
あなたとルームメイトの収入額やその差額、それぞれが負担する役割や物件の間取りにより、納得できる方法で折半するようにしてください。
ちなみに生活費をルームメイトと完全折半する場合には、家賃や光熱費、雑費などの総額を把握するために検針票や領収書、レシートを保管し、共有するのがおすすめです。
こうして記録をのこすことで、生活費に関わる金銭トラブルの防止や分担額が平等であることの証明、節約のための家計の見直しなどに役立ちます。
ルームシェアに向いている性格って?仲が悪化する原因とは
ルームシェアではトラブルを回避し、友人や知人と楽しくルームシェアを継続するためのポイントとしては、以下が挙げられるでしょう。
- 快適にルームシェアを続けるためのポイント
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- 各自のプライベートが守られるよう、離れた場所に複数個室がある物件を選ぶ
- 家事の分担や交代、家具と家電の配分などについて、ルームメイトみんなが納得できるルールを決めておく
- もしケンカをしても翌日以降に持ち越さず、その日のうちに話し合いで解決すること
またあなた自身、ルームメイト個人の考え方や人柄がルームシェア向きかどうかも、快適にルームシェア生活を送れるかどうかを左右する要素となります。
ルームシェアで他人とうまく暮らしていける可能性の高い人の特徴は以下の通りです。
- ルームシェアに向いている人の特徴
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- 自分のことはひと通り自分ですることができ、精神的に自立している
- 責任感があり、決められた生活費や家事の役割はきっちり負担できる
- 他人に依存しておらず、自分に課された役割や義務を他人へ丸投げしない
- 人と接するのが好きで、ルームメイトのプライバシーにも配慮したうえでコミュニケーションを楽しめる
- 異なる価値観を楽しめる寛容性があり、ルームメイトと価値観を共有できる
- ルームメイトと衝突することがあっても、自分の言いたいことはきちんと伝えられる
一方で、ルームシェアを解消せざるを得ないほどルームメイトとの仲が悪くなる原因としては、以下が考えられます。
- ルームメイトと仲違いする原因の例
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- 明確にルールを設定しないまま暮らし始め、互いに不満を溜め込んでしまう
- 一方が相手の価値観を考慮せず、自分の価値観に合わせて生活することを強要する
どんなに仲の良い友人同士であっても、一緒に暮らすとなるとトラブルはなかなか避けられません。掃除の周期や家事の役割分担、金銭の支払いなど、生活で欠かせない部分については事前に明確なルールを設定してから、ルームシェアを始めるのがおすすめです。
ルームシェアでルールを決めるなら?例を紹介
ルームシェアをする際にルール化しておくべき項目を、具体的な例とともに紹介します。
- 生活費の負担額について
- 各人がどの名目の費用を負担するのか、負担割合や按分は何を基準にするか決めておく
- ルームメイト間でのお金の貸し借りについて
- 基本的に禁止とし、貸し借りOKなら金額の上限と返済期限について具体的に決める
- ルームメイトの個室への無断進入禁止
- 互いのプライバシーと信頼関係を守るため、個室への無断進入は明確に禁止すべし
- 共有部分の使い方について
- キッチンやトイレ、お風呂などの共有部分を快適に使えるよう、洗い物は出した人がする、生ごみはすぐに捨てるなどのルールを決めておく
- 掃除の分担、タイミングについて
- 「気付いた人がやる」と決めると必ずトラブルになるので、掃除のタイミングは1週間に1回などと決め、交代で行うなら当番表も作っておくと良い
- 光熱費の節約の範囲について
- 節約意識の差もトラブルのもとなので「水は出しっぱなしにしない」「使っていない部屋の照明やエアコンは消す」など、最低限のルールを設定しよう
- 食料品の扱いについて
- 食費は各自実費で賄うことが多いので、自分が買った食料品を誤って食べられてしまわないよう「名前を書く」「冷蔵庫の置き場所を分ける」などの対策をする
- 喫煙の可否について
- ルームメイトに喫煙者がいる場合は、喫煙して良い場所について話し合いのうえ決める
- 友人や恋人を招く場合について
- ルームメイトの皆が気持ちよく暮らし、プライバシーを守れるよう友人や恋人を招くことを禁止するか、招く場合のルールを決めておくと良い
- 退去する場合について
- ルームシェアを解消したい場合「何か月前までに申し出るか」「共有の家具や家電はどうするか」「退去時にかかる費用や家賃、引越費用はどうするか」は話し合っておこう
おわりに:ルームシェアをするときの物件探しやルール決めは慎重に
家族ではない他人との共同生活には、少なからず違和感やストレスがつきものです。これはどんなに親しく、信頼している友人同士でも例外ではありません。一緒に遊ぶのが楽しい相手でも、ルームシェアをするとなると金銭や対人関係のトラブルを抱える恐れがあります。ルームシェアをしたいなら金銭感覚や衛生感覚の近い友人をルームメイトに選び、各々のプライベートを確保できる物件へ入居、互いに納得できるルールの設定もしてくださいね。
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