夫婦生活のトラブルのひとつに、浮気・不倫があります。2人の信頼関係や生活の維持にも悪影響を与えるのが浮気・不倫です。
この記事では、浮気・不倫の影響や再構築のポイント、慰謝料請求、離婚がこじれたときの解決方法を紹介します。
- この記事でわかること
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- 浮気・不倫のせいで信頼関係が崩れると生じるデメリット
- 別れや離婚を検討した方がいいパートナーの特徴
- 再構築を目指す夫婦が気をつけるべきコミュニケーション方法
- 浮気・不倫で慰謝料を請求できるケースとできないケースの違い
浮気や不倫をする側の理由とは?
パートナーがいながら浮気や不倫をする理由には、下記のようなものが挙げられます。
- パートナーに魅力を感じなくなった
- パートナーに対する愛情が薄くなった
- パートナーから感じる愛情に不足を感じている
- セックスレスに悩んでいる
- 日常に不満があり、刺激が欲しい
- お酒の席で羽目を外してしまった
- パートナーより魅力的に感じる相手に出会った
パートナーとの関係性に原因がある場合と、一時的な感情やきっかけによって浮気・不倫をする場合に分かれるでしょう。
しかし、原因がどちらでも浮気・不倫はパートナー、家族との関係性に大きな影響を与えます。
浮気・不倫はパートナーとの信頼関係を壊す!
浮気や不倫をすると、心や人間関係に次のような影響を引き起こします。
パートナーの言うことや行動を疑ってしまう
浮気や不倫は、された側に大きなショックを与えることがほとんどです。トラウマとなり、長期間心や体が苦しくなる人もいます。
再び浮気や不倫をされていないかが気になって仕方ないことも少なくありません。そのため、パートナーの言動に不信感を持ってしまうこともあります。
たとえば、次のような言葉や行動に疑いを持ってしまいます。
- パートナーに疑いを抱かれる言動
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- 残業や出張が増えた
- 趣味が変わった
- 以前は興味を持っていなかった話題に関心を示す
- スマホを操作する時間が増えた など
- 浮気・不倫の蒸し返しに対する返答例
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- まだその話を出してくるの?
- しつこいよ
- 浮気・不倫相手を妊娠または中絶させている(男性が浮気・不倫した場合)
- 浮気・不倫相手との間で妊娠または中絶している(女性が浮気・不倫した場合)
- 浮気・不倫を繰り返し、改善が見えない
- 浮気・不倫をしたことを正当化し、逆切れしてくる
- 浮気・不倫相手に愛情が向いている
- DVやモラハラの傾向があり、自分の非を認めない
- 浮気・不倫以外にも、収入などで問題がある
- 再構築のメリット
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- 環境の変化を小さく抑えられる
- 世間体を保つ
- 経済的に安定する
- パートナーとの関係性の見直しを図れる
- 浮気・不倫した側
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- 謝罪の気持ちや反省の言葉を相手に伝える
- 浮気・不倫の原因がわかっている場合、改善に努める(お酒がきっかけなら酒量を減らす、禁酒する)
- 浮気・不倫された側
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- 再構築中に頻繁に浮気・不倫の話を持ち出して、相手を責めないようにする
- 自分の気持ちを押し込まずに、整理する
- パートナーがお互いに意識したいポイント
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- お互いのスケジュールをシェアする
- 手をつなぐ、ハグなどスキンシップをする
- 感謝の気持ちを忘れずに、言葉などでも伝える
- 日常的に浮気・不倫したパートナーを責める
- 浮気・不倫したパートナーにことを、日常的に責めるのは避けましょう。お互い一緒にいる時間がストレスになってしまい、再構築が上手くいきません。ストレスを原因として、再び浮気・不倫に走るおそれがあります。
- パートナーの行動を監視する
- また浮気・不倫をされているのではないかという不安が募ると、スマホアプリやGPSを使って、パートナーの行動を監視したくなる人もいます。しかし行動を監視されたパートナーは、束縛を感じストレスが溜まりかねません。信頼関係の再構築を考慮すると、監視や束縛はおすすめできません。
- 財産分与
- 夫婦の財産については、基本的に半分ずつ分けます。ただし財産分与の対象となるのは「結婚期間中に夫婦で形成した財産」で、預貯金、不動産、保険などが当たります。
- 親権者
- 未成年の子どもがいる場合、父と母のどちらを親権者にするか決めます。
- 養育費
- 離婚後は、父と母はそれぞれ子どもを扶養する義務があります。養育費とは、子どもを監護する親が、非監護親から受け取るもので、子どもの監護や養育のために支払われます。養育費は一般的に、父母それぞれの収入、子どもの年齢、人数によって決められます。目安となる金額は、家庭裁判所で採用している「養育費算定表」で知ることができます。
- 慰謝料
- 離婚の原因が浮気・不倫など不貞行為の場合、浮気・不倫された側が精神的苦痛に対する慰謝料を請求できます。
- 調停
- 離婚や離婚条件に夫婦の合意が得られていない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることがあります。
- 調停とは
- 裁判官、一般市民から選ばれた調停委員が同席し、互いの話し合いを元にトラブルの解決を目指す制度。裁判官や調停委員からは助言をもらえ、解決のための話し合いが促してもらえる。訴訟と比較すると、手数料が低く抑えられ、手続きが簡単であり、トラブル解決までの時間も短い。
- 離婚・別居をしない場合
- 50万~100万円
- 不貞行為を理由として離婚する場合
- 200万~300万円
- 浮気・不倫相手に慰謝料を請求するための条件
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- 浮気・不倫相手に「故意・過失」がある
- 不貞行為によって、「権利の侵害」を受けた
- 浮気・不倫相手への慰謝料が認められるケース
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- 既婚者であることを知りながら、不貞行為をした
- 浮気・不倫相手が、不貞行為をしていると気がつく状況であるにも関わらず、把握しなかった
- 浮気・不倫相手への慰謝料が認められないケース
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- 出会い系サイトなどで知り合った場合で、互いの素性を知らないために既婚者であることに気づくことが不可能だった
- 強制性交・脅迫などにより、浮気・不倫相手の自由意思がなかった
パートナーを信じたくても信じきれないと、ますます気持ちが辛くなります。また、相手も信頼回復できないことによる焦りや不安を感じるでしょう。
喧嘩のときなどの蒸し返し
浮気や不倫について、心の中で整理整頓するまでにかかる時間は人それぞれです。された側は、何年経ってもダメージを抱えていることもあります。
浮気や不倫を経験したカップルに見られるトラブルが、喧嘩のときなどの蒸し返しです。相手に対して不満や怒りが溜まると、された側がした側に対して浮気・不倫の過去を持ち出して責めることがあります。
しかし、そうした責め方をすると下記のように返されることがあります。
浮気や不倫とは直接的な関連がない喧嘩で過去のことを持ち出すと、「今は違う話をしているのに」と相手は感情を刺激され、喧嘩がこじれるおそれがあります。
社会的な評価に影響する
浮気や不倫は当人同士の話し合いで済むこともありますが、周囲の人に知られてしまうことも少なくありません。
友人や職場に知られると、浮気・不倫した側の信頼や評価が落ちる可能性が考えられます。人格を疑われたり、噂として広まっていくおそれもあるでしょう。
子どもの心への影響
子どもがいるカップルは、子どもへの影響が懸念されます。
両親の喧嘩や不仲は、子どものストレス蓄積につながります。離婚する場合も同様です。離婚を選択するのは、当人同士の問題でもありますが、子どもの生活を大きく変えます。
未成年の子どもがいる場合、離婚するときは親権者を父と母のどちらかに決めなくてはいけません。子どもが家族と過ごす時間を減らすともいえますので、寂しさを感じさせることもあるでしょう。財産分与や養育費によっては、教育資金など子どものために立てていたマネープランが崩れます。
このように、浮気や不倫には心と人間関係に影響を及ぼします。
別れるか再構築か..浮気・不倫への対処法の種類
浮気や不倫が発覚したカップルの頭を悩ませるのが、別れるか再構築するかという選択です。どちらの選択肢を選ぶかには正解はないといえます。
当人同士の気持ちや家庭の状況、将来の計画などを考慮して、今後どうするかを話し合って決めるのが理想的でしょう。
しかし、下記に当てはまる場合は別れを検討する人が多くなります。
浮気・不倫に関する反省や改善がまったく見られない人や不貞行為以外にも問題を抱えている人がパートナーである場合、離婚を考えるのも方法のひとつです。
無理して関係を再構築しても、お互いの関係悪化、子どもへの悪影響などのデメリットが発生する可能性があります。再構築にどんなメリットデメリットがあるか、別れにはどんなメリットデメリットがあるかをよく考えてみましょう。
夫婦の危機?浮気・不倫後も夫婦でい続けるには
再構築する場合、次のようなメリットがあります。
別れる場合、特に夫婦で離婚を選択すると氏名の変更や引越など環境の変化が大きくなります。子どもがいる家庭では、子どもの親権手続きや転校の必要性もあるかもしれません。想像以上の変化が訪れますので、生活の安定のために再構築を選ぶ人もいます。
また、離婚を避けることで親戚や知人・友人、職場での世間体を保つこともできます。浮気・不倫はした側もされた側も噂の的となることがありますので、なるべく他人からの印象や評価を変えたくない場合は、浮気・離婚の問題を大きくしない傾向があります。
日本では女性より男性の方が収入が多いため、離婚すると女性側の経済的な不安が大きくなる傾向があります。ただし共働き世代が増えていますので、離婚によって経済が不安定になるのは男性も同様でしょう。
再構築をきっかけとして、パートナーとの関係性を見直すことができます。家事や育児の分担、スキンシップ増加など2人にとって良い変化を目指すのがおすすめです。
再構築は簡単ではない
上記で解説した通り、再構築のメリットは環境や経済面の安定を図るものが大きいです。しかし浮気・不倫された側の心の傷は、メリットがあるからといって割り切れるものではありません。
再構築のポイント
再構築を進めるために、下記のポイントを心がけましょう。
再構築でのNGは?責めすぎや監視は逆効果
再構築する場合は、浮気・不倫した側の心の負担が大きくなりがちです。ツラい気持ちが大きくなるあまり、次のような行動をしないように注意しましょう。
パートナーや浮気相手に請求する慰謝料の相場って?
夫婦が浮気・不倫後に離婚を選択した場合、財産分与や訴訟手続きが必要となる場合があります。離婚を考えている人が知っておきたいキーワードを説明します。
調停不成立後は離婚訴訟へ
離婚に対して2人の合意が得られないと、金銭トラブルや親権トラブルに発展しかねません。互いが納得して離婚を成立させるために、調停という方法がとられることがあります。
調停でトラブルが解決できなかった場合、離婚訴訟に進むこともあります。浮気・不倫は法律上は不貞行為と定義され、離婚事由とみなされます。ただし、不貞行為を根拠として離婚を希望する場合、不貞行為を主張、立証していく必要があります。スムーズに離婚訴訟を進めるためには、弁護士に相談すると安心でしょう。
浮気・不倫された側は慰謝料をもらえる?
浮気・不倫された場合、慰謝料がもらえるかどうかも気になりますよね。
日本の民法709条では「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定めています。この条文は、財産以外の損害も対象としています。
パートナーの浮気・不倫によって受けた精神的苦痛に対しても、損害賠償責任が発生すると考えられ、慰謝料が認められます。
慰謝料の相場は、50万~300万とされています。金額の幅が大きいのは、下記のように内容によって金額が異なるからです。
不貞行為をしたパートナーに慰謝料を請求する
離婚をするかしないかで慰謝料に大きな差が出てきます。また、損害賠償は基本的には金額で支払われます。
浮気・不倫相手に慰謝料を請求する場合
浮気・不倫相手に慰謝料を請求したいという人もいます。ただし、パートナーと違って、下記の条件を満たす必要があります。
不貞行為をされたからといって、必ずしも慰謝料を請求できるわけではありません。慰謝料を請求する場合は、不貞行為が発生した状況や相手の把握度を調べる必要があります。
おわりに:浮気・不倫は代償が大きい!互いの人生に影響を及ぼします
浮気・不倫は、された側の心や体にショックを与えます。した側も周囲からの評価や家族関係の亀裂など、大きな代償を負います。関係を再構築するか、別れるかはメリットデメリットを考慮しながら決めることをおすすめします。
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