ノマドワークやテレワーク、フリーアドレス、コワーキングスペースなど、近年では「オフィスの固定の座席で業務をする」という形式にとらわれない自由な働き方が広まっています。その一つに「ワーケーション」という働き方があります。
ワーケーションとはどのような働き方で、場所や費用はどうすれば良いのでしょうか。今回は、ワーケーションの基本的な考え方や実施例をご紹介します。
- この記事でわかること
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- ワーケーションが企業、従業員、地域に与えるメリット
- Wi-Fi環境や情報セキュリティの整え方
- 長野や和歌山のワーケーションおすすめスポット
- 交通費や滞在費などワーケーションの費用負担の考え方
- 国のワーケーションと民間会社のワーケーションの事例
休暇と仕事がミックスされたワーケーションって?
ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせて作られた和製英語で、リゾート地や地方など普段の職場とは違う場所で、働きながら休暇を取得する、あるいは休暇と併用して旅先で業務を行う滞在のことを指します。仕事が主体のものも、休暇が主体のものもワーケーションに含まれます。
ワーケーションでは、企業側・従業員側・受け入れ先地域のいずれにも、それぞれ以下のようなメリットがあります。
- 企業のメリット
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- 従業員の休暇取得推進につながる
- 普段と異なる環境で仕事をすることで、従業員のイノベーションの機会となる
- 生活習慣改善など、従業員の健康啓発につながる
- 従業員のメリット
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- 働く場所の自由度が高まるだけでなく、働く環境や時間など多様な働き方が可能になる
- 休暇取得推進、健康維持・増進につながる
- 受け入れ先地域のメリット
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- 来訪者の拡大、ワーケーション参加者との交流による新たな産業の創出
- 長期的な関係を構築することで訪問客が増え、地域コミュニティの活性化が期待される
ワーケーションのセキュリティ保護のリスク管理はどうする?
ワーケーションにはリスクやデメリットなど課題もたくさん残っています。最も大きな課題として、業務のためのICT環境整備が挙げられます。
現地の宿泊施設やコワーキングスペースなどでワーケーション向けにネットワーク環境を提供しているところも増えてきましたが、単にインターネットに接続できれば良いというわけではなく、セキュリティが確保されていなくてはなりません。そのため、公共の無料Wi-Fiをそのまま使うのではなく、以下のような対策が必要です。
- ポケットWi-Fiの貸し出し
- セキュリティソフトやOSを最新の状態にアップデートする
- VPNを利用し、通信を暗号化する
- 多要素認証などを使い、不正利用を防止する
また、こうした情報漏洩のリスクは企業側が環境整備するだけでなく、従業員側の認識と対策の徹底が必要です。パソコンやスマホ、タブレットなどの端末本体に情報が残ると、端末を紛失した際に情報漏洩のリスクがあります。これを防止するためには、モバイルアプリケーション管理(MAM)を採用すると良いでしょう。
MAMでは業務用のアプリケーション内でのみ作業を行うので、端末本体には情報をダウンロードせず、端末に情報を残さないまま業務を行えます。そのため、万が一どこかで端末を紛失したとしても、情報漏洩の心配がありません。
勤怠管理が難しそう..ワーケーションの業務時間の決め方は?
ワーケーションを管理・運用面から見たとき、勤怠管理や労災の適用が難しいという問題もあります。仕事の時間とプライベートの時間の区別が曖昧になってしまうので、勤怠管理が難しいのです。1日の業務が会議だけという日もあれば、勤務時間中に業務と自由時間を何度も繰り返す日もあるでしょう。
この場合の対策としては、企業の業務に合わせて、あらかじめルールを明確にしておくのが良いでしょう。ルールとしては、下記の例が考えられます。
- 会議や資料提出など、特定の業務遂行をもってその日の労働とみなす
- 勤怠管理アプリなどで労働時間を把握する
- 事前に、休暇先でのみなし労働時間を申請しておく
労災の適用も難しいところです。ワーケーション中の移動や活動をどの程度休暇とするか、業務とするかによって、事故が発生したとき労災が適用されるか否かが決まります。これについては、業務活動をあらかじめ申請してもらい、会社で把握・承認している業務活動中に発生した分のみ労災と認定するという方法もあります。ただし、状況把握が難しくなることから、通常よりも労災の認定がされにくいリスクがあることは、従業員にもきちんと説明の上、理解してもらわなくてはなりません。
また、従業員側にとってもワーケーションにはデメリットがあります。「仕事とプライベートの境目が曖昧になる」「プライバシーの侵害」「生産性低下リスク」などが考えられます。ワーケーションに向いている業種や職種もありますので、ワーケーションを導入することで従業員間の不平等感を生む可能性も否定できません。
どんな場所がおすすめ?リモートワークはワーケーションとは違うもの?
ワーケーションと似た概念にリモートワーク(テレワーク)がありますが、その考え方は大きく異なります。
- ワーケーション
- 休暇を前提として、好きな場所で働くこと
- リモートワーク
- オフィス以外の場所、すなわち自宅、カフェ、コワーキングスペースなどで働くこと
つまり、ワーケーションは休暇が前提として組み込まれているのに対し、リモートワークはあくまでも場所を変えるだけで、その意味に休暇は含まれません。ワーケーションは従業員のリフレッシュや休暇取得を促進するための働き方であり、働くことと休むことを明確に分離しすぎず、休みながら働くという全く新しい考え方と言えるでしょう。
ワーケーション先の場所を選ぶポイント
ワーケーションを実施するときには、まず場所を選定しなくてはなりません。旅先として自由に選べるのもワーケーションの一つのメリットですが、自治体がワーケーションの誘致に参加している地域や、仕事に専念できるようなコワーキングスペースを設置している場所なら、スムーズに業務を行いやすいのでおすすめです。
- 自治体が参加している地域から選ぶメリットと例
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- 観光にも仕事にも取り組みやすい環境が揃っている
- 長野県軽井沢町・白馬町・芽野市などでは「森のワーケーション」として積極的に魅力発信されている
- 長野県のモデル地区では、商店街の空き店舗を有効活用し、リモートワークの環境を整えている
- 信濃町のノマドワークセンターでは、法人向けの貸し切り型リモートワーク施設で、キャンプしながら仕事を行えるとして注目を集めている
- コワーキングスペースのある地域から選ぶメリットと例
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- ワーケーションとして休暇をとりながらも、仕事に集中できる環境、すなわちオフィス同様の作業場が必要
- 和歌山県白浜町の「WORK×ation Site 南紀白浜」なら、Wi-Fi環境のほかプロジェクターやホワイトボード、文具、給茶などのサービスも利用できる
- 施設内には作業スペースが複数用意されているので、ちょっとしたミーティングにも、リラックスしながらの業務にも利用できる
- ワーケーションの目的から選ぶメリット
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- ワーケーションは必ずしも観光地である必要はなく、自分がリラックスしながら働ける場所を自由に決められる
- アウトドアに興味があればキャンプ場の設備が整った場所、仕事以外の時間は温泉でリラックスしたいなら温泉街を、など
- 自分の休暇目的を果たせる場所という目的で選ぶと良い
ワーケーションにおすすめの観光地
実際に、ワーケーションに詳しい旅行会社HIS法人営業部がHP上で、「ワーケーションしてみたい国内スポットランキング HIS法人営業本部スタッフが投票!」を発表しました。旅行のプロが選ぶワーケーションのスポットがどこか紹介します。(参考:HIS)
- 1位:奄美大島(鹿児島県奄美市)
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- 羽田・成田空港から飛行機で約2.5時間〜3時間とアクセスしやすい
- 世界遺産登録に向けて注目を集める、自然豊かで綺麗な空気が特長の島
- 大自然の中でヨガをしたり、伝統的な踊りを体験してみたりと、仕事の合間に非日常を体験できる
- 地域の人々や歴史に触れながら、島の生活を体験できるワーケーションに
- 2位:竹富島(沖縄県八重山郡竹富町)
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- 羽田空港から飛行機の直行便で石垣島まで約3時間、さらに高速船で約10分
- 暖かい気候と綺麗な海、雄大な自然の中でのんびりと開放的な気分で仕事ができる
- 都会の喧騒を離れ、オンオフを切り替えて島の滞在を楽しめる
- 3位:五島列島(長崎県五島市)
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- 羽田空港から長崎空港まで約2時間、そこから五島つばき空港まで約30分
- 世界遺産に選ばれた教会があり、日本一美しいビーチと言われる浜があるなど、観光名所がたくさん
- 海・山・食も充実していて、島民とのコミュニケーションを楽しめる
- 離島ながら、2019年には市内への転入者が転出者を上回るという社会増を達成した、魅力たっぷりの島
- 4位:南紀白浜(和歌山県白浜町)
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- 羽田空港から南紀白浜空港まで約1時間15分と、大都市圏から距離が近い
- コワーキングスペースとしての設備、Wi-Fiなどインフラが整っている安定感があり、ワーケーションに便利
- 静かで綺麗な海はもちろん、パワースポットとして人気の世界遺産・熊野古道も
- 疲れたら温泉にも入れるなど魅力が多い反面、必要以上の誘惑もないので、仕事にも集中しやすい
- 5位:沖縄県恩納村
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- 羽田空港から那覇空港まで飛行機で約3時間、さらにそこから車で約1時間
- 沖縄は人気リゾート地で、海を目の前に非日常やリゾート気分を味わいながら仕事できる
- 本島の中央部に宿泊するので島内を移動しやすく、休日は本島の観光巡りや、カフェ好きの間でもレベルが高いと評判の沖縄カフェ巡りを楽しめる
- 非日常の環境で仕事を行えば、都会のオフィスや自宅では生まれにくい地域創生なども含めたアイディアが豊富に生まれやすい
西日本が多くランクインする中、6位に挙げられたのが東日本の軽井沢(長野県軽井沢町)です。東京から新幹線で約1時間10分とアクセスしやすく、気軽に行けるリゾート地であることに加え、自然もアウトレットモールでのショッピングも楽しめます。都会からもほど近く、似たような環境の安心感もありながら、少し足を伸ばせばすぐに大自然にも触れられる環境は非常に魅力的です。
会社?個人?ワーケーションの費用は誰が負担する?
企業に雇用されている従業員がワーケーションを行う際の課題として、「誰が費用を負担するか」という問題が発生します。いくらワーケーションが休暇前提に設定されているとはいえ、滞在先までの移動費や宿泊費を従業員が全額負担するとなると、自腹で行く旅行先でまで仕事をしたくない、という気分になってしまうのも当然でしょう。
そこで、ワーケーションの際には出張などと同様、企業側が一部費用を負担するなどの工夫をすると良いでしょう。例えば、ワーケーションの滞在先として企業が指定した宿泊先に限り宿泊費を一部負担する、出張の前後でワーケーションをする場合は交通費会社負担、宿泊費も出張日程内は会社負担、それ以外の休暇日程は従業員負担とする、といったように、事前に明確なルールを決め、従業員に周知徹底しておきましょう。
このように問題や課題が生まれてしまうのは、ワーケーション自体がまだ非常に新しい概念であり、企業側の体制やルールが確立されていないためです。休暇が主体のワーケーションであれば、交通費や宿泊費の従業員負担の割合を増やし、通信費や旅先でのコワーキングスペースの利用料金などは会社負担とする方法もあります。
細かい計算が面倒だという会社の場合は、「ワーケーション手当」として一律の金額を支給し、その中で自由に従業員に行き先や宿泊先を決めてもらうのも良いでしょう。いずれの場合でも、費用に関することはあらかじめしっかり従業員と会社との間で決めておかなくてはなりません。従業員側は、わからないことがあれば出かける前にきちんと会社に確認しておきましょう。
企業や自治体のワーケーション実施例を紹介
ワーケーションはまだまだ新しい概念であり、導入している企業は少ないものの、既に取り組みを始めている企業や、国や自治体が主導してワーケーションを推進している事例もあります。今回は、企業と自治体の事例と、環境省が推進する事業についてご紹介します。
ユニリーバ・ジャパン「地域 de WAA」とは?
生活用品メーカーのユニリーバ・ジャパンは、社員がワーケーションを積極的に活用できるよう、2019年から全国6つの自治体と連携して「地域 de WAA」という取り組みを行っています。もともと、ユニリーバ・ジャパンでは2016年7月から働く場所・時間を社員が自由に選べる「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入していましたが、さらにそれをワーケーションにまで広げたのが「地域 de WAA」です。
「地域 de WAA」では、ユニリーバ・ジャパンと自治体が連携し、ユニリーバ・ジャパン社員はその地域の施設を「コWAAキングスペース(コワーキングスペース)」として無料で利用でき、現地では地域のイベントやアクティビティに参加することもできます。また、自治体の指定する地域課題解決に関わる活動に参加すれば、提携する宿泊施設の宿泊費が無料または割引になる特典もあります。
環境省が掲げる、国立公園や温泉地でのワーケーション推進
企業や自治体が次々にワーケーションを実施していく中、国からも環境省が国立・国定公園や温泉地のワーケーション利用を推進する指針が示されました。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、旅行地の利用は減っているものの、屋外である国立公園やキャンプ場などは感染リスクが低いことから、リフレッシュしながら働くワーケーションにもぴったりだと言えるでしょう。
大自然を持つ国立公園で大人が心身をリフレッシュできるのはもちろん、新型コロナウイルス感染症の流行で外遊びを控えざるを得なかった子どもたちにとっても、国立公園などは豊かな遊び場となります。アクティビティの提供により社会の閉塞感を解消し、ワーケーションによる旅行者やロングステイの増加につなげ、地域経済を活性化させるのが主な目的です。
また、旅館などの環境整備ができ次第、温泉地の旅館などでのワーケーションも推進していくことが盛り込まれています。そのためにはワーケーションのためのWi-Fiなどインフラ整備、スペース確保のための改装費用と期間が必要ですが、国はその支援にも予算を組んでいますので、今後ワーケーションが行える温泉地は増えていくでしょう。
農業型ワーケーションとは!?宮城県蔵王町の例もご紹介
平成28年3月に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」において、農山漁村地域に宿泊し、滞在中に地域の資源を活用した食事や体験を楽しむ「農泊」という旅行の一形態が推進されてきました。旅行者はどうしても主要観光地に集中しがちですが、農山漁村にも旅行者を呼び込み、宿泊や農林水産物などの消費拡大を図るのが目的です。
現在では「農泊」はワーケーションと結びつき、農業型ワーケーションとして、農泊に取り組む地域の持続的な発展を支える考え方として注目されています。新型コロナウイルス感染症の流行後における消費者の意識や行動の変化も踏まえ、非日常のひとときや地域の魅力再発見を楽しむための滞在先として、農山漁村地域の魅力や長所が打ち出されています。
具体的な事例としては、宮城県蔵王町の「蔵王農泊振興協議会」があげられます。1棟貸しの宿泊施設には無線LANを完備し、ワーケーションを行いやすい環境を整備しました。
これまで令和2年4〜8月の間にワーケーション目的で6組(計340人泊)を受け入れており、宿泊者はいずれも長期滞在してレジャーを楽しみながらリモートワークを実施できています。
JTBやHISも!旅行会社のワーケーションサービス
最後に、JTBやHISなど旅行会社が提供するワーケーションサービスについてご紹介します。実施例やおすすめプランなどを参考に、ぜひワーケーションを検討してみてはいかがでしょうか。
JTBのワーケーションコンセプトと活用事例とは?
JTBでは、ワーケーションを通じて地域と企業(組織、産業、ヒト)の最適なマッチングを行い、多様な働き方や地方創生の実現を考えています。大手旅行会社ならではの35,000社の法人と55市区町村の自治体の顧客という日本最大級のネットワークを活用し、地域にふさわしいワーケーションソフト・ハードを開発したり、企業への提案を通じて都市から地域への人の流れを拡大したりするのがコンセプトです。具体的には、以下のような事例があります。
農林水産省×JTB「農泊とワーケーションの推進」
この事例では、まず新型コロナウイルス感染症の流行下において、農山漁村地域への旅行意向調査とワーケーション受け入れ地域としてのニーズを調べる企業担当者向けの調査を実施しました。
その後、調査結果を踏まえて新しい働き方に積極的にトライする20〜30代の女性をターゲットとし、「旅&ライフスタイルWEB:るるぶ&more」で農泊×ワーケーションの特集ページを制作し、旅行客の増加をはかりました。
友人同士や夫婦、家族、単身、職場仲間と旅行形態ごとに全国の古民家改装宿を活用した農山漁村におけるワーケーションの過ごし方をレポートし、古民家改装宿のプラン化・販売促進を行うものです。検証結果はまだ出ていませんが、自然の中で過ごす体験によるストレス緩和やモチベーションアップ効果が見込まれています。
株式会社ソラヤマいしづち×JTB「ワーケーション塾2020」
さまざまな企業ニーズの中から、社会変化に対応すべく「テレワーク時代におけるビジネスモデル」というテーマに絞ったのがこの事例です。テレワーク時代を自社のビジネスチャンスに変えていく方法について、地元愛媛県の企業であるサイボウズ社や働き方に関する専門家と協業し、1人単価50万円程度の高額販売を目的とした「学べる」ワーケーションプログラムを開発したものです。
単価が表す通り、不特定多数の個人旅行や団体旅行ではなく、特定少数の法人需要に向けたプログラムです。4日間でグループワーク・個人ワーク・ヘルスツーリズムをたっぷり盛り込み、リモートワークを含む新たな働き方についての情報を得られることはもちろん、豊かな自然の中で行うさまざまなアクティビティを体験できます。
HISが提唱する、ワーケーション5つのコンセプト
HISが提供するワーケーションには、「仕事型・休暇型」の基本2つに「異業種交流型・社内研修型・オフサイト会議」の3つを加えた5つのコンセプトがあります。それぞれのコンセプトについても、ざっくり見ていきましょう。
HISのワーケーションコンセプト①:仕事型ワーケーション
仕事型ワーケーションとは、会社が行き先を決めて出張のように行う、仕事に重点を置いたワーケーションです。業務前後や週末にその地域の魅力を味わい、地方創生に貢献するとともに、業務時間は非日常空間での業務やミーティングによるさまざまな効果を狙います。チームビルディングやチームアクティビティ、地域交流など希望に合わせたコンテンツアレンジも行えます。
HISのワーケーションコンセプト②:休暇型ワーケーション
休暇型ワーケーションでは、家族・チーム仲間など行くメンバーも、副業や学びの場・健康経営など目的もさまざまに設定できます。社員が心身ともに健康かつ、生産性をもって在籍し続けてもらうための福利厚生としての意味合いが強いワーケーションです。自然に触れてリフレッシュしたり、ワーク・ライフ・バランスを実現したり、運動不足を解消したりすることにつながるでしょう。
HISのワーケーションコンセプト③:異業種交流型ラーニングワーケーション
異種交流型ラーニングワーケーションとは、正解のない時代の課題に取り組む人材の育成を目的としたワーケーションです。「リアル・コンテンツ・コミュニティ」の3つの学びの場を通じ、座学では得られないリアルな体験による学びと、バックグラウンドの異なる人との交流から深く内省し、自分の頭で考えて行動する力を養います。
「here」という東京の会員限定コミュニティと、「there」という地域での3泊4日の体験プログラムからなり、東京での基本的な学びをベースに、地方でのワーケーションを年2回、各地域ならではの人・文化・地理環境などさまざまな資源を教材としたプログラムに自由に選んで参加します。
HISのワーケーションコンセプト④:社内研修型ワーケーション
社内研修型ワーケーションでは、イノベーティブ人材の育成を目的としています。既存の産業やビジネスモデルはもちろん、社会全体が変革しつつある現代で、地域ならではの学びの体験や対話を通じ、多様性や社会課題解決力などビジネスシーンに必要な力を養い、社会の変革や新たなビジネス創出に向けて、人や地域をつなげていける人材を育成するためのワーケーションです。
社内研修型ワーケーションは、多様な働き方制度の一つとして、企業価値の向上や働き方改革のトライアルにも使えます。効果の見えやすい研修型をまず実践し、効果測定をしていく中で自社がどうワーケーションを活用するのか決めていくこともできます。首都圏以外の地域が持つ、働く場としての可能性を体感する良い機会にもなるでしょう。
HISのワーケーションコンセプト⑤:オフサイト会議
オフサイト会議とは、物理的に職場を離れて会議を行うことを指しますが、職場を離れる開放感やリラックスできる環境で話し合うことで、フラットな関係を作り出し、発言しやすい雰囲気やクリエイティブな意見を生み出しやすくするという目的・効果が見込まれます。チーム全体の協力体制が築ければ作業効率がアップしますし、偏見や思い込みがなくなり柔軟性が出る可能性もあります。
ミーティング以外にチームビルディングやアクティビティを導入すれば、運動の機会を提供したりモチベーションをコントロールしたりすることもできます。その土地ならではの体験や地域交流は、会議において新たな気づきが生まれるきっかけになるかもしれません。
HISおすすめ「奄美大島ワーケーションツアー」
HISおすすめのワーケーションは、奄美大島で行うプログラムです。「島で暮らすように泊まる」をコンセプトに、伝統ある建物を宿泊施設として再生した「伝泊」の3つの施設から選んでワーケーションに利用できます。リモートワークに欠かせないインターネット環境はもちろん、地域の歴史や自然を感じられる宿泊環境が整っています。
また、滞在期間の過ごし方として「奄美の自然とヨガでリラックス」「奄美大島最大級のマングローブ原生林カヤック体験」など、大自然を利用したリフレッシュできる観光プランも提供されていますので、観光もしっかり楽しめます。
他にも、ストレスが見えるスマートウェアを使い、旅の前から旅の後まで参加者自身がリアルタイムに自分のストレス状態を確認できる追加プランも利用できます。ワーケーションが本当にストレス解消になるのか、どのくらいストレス解消になるのか、企業としてデータを蓄積するのはもちろん、参加者自身が自らのバイタルデータを得られるのは次回のワーケーションや旅行の指標にもなるでしょう。
おわりに:ワーケーションは、目的や地域、プランによって多彩
ワーケーションとは、非日常の中でリフレッシュしながら仕事を行う、休暇と仕事を組み合わせた全く新しい働き方・考え方のことです。業務主体や休暇主体という基本スタイルの他、HISが打ち出すイノベーション目的のプランなどもあります。
受け入れ先の地域から見れば、ワーケーションは地域コミュニティの活性化が目的です。企業や自治体だけでなく、国も支援してワーケーションを推進していますので、ぜひ有効に活用しましょう。
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