兄や弟にマウンティングされてモヤモヤした経験はありませんか? 兄弟だからこそ、遠慮なく言われる言葉が心に刺さることもありますよね。でも、ちょっと待ってください。兄や弟がマウンティングしてくる背景には、悩みや欲求が隠れているかもしれません。この記事では、兄弟間でマウンティングが起こる理由やその心理、さらに具体的な対処法と関係を良好にするコツを解説します。
- この記事でわかること
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- 兄弟にマウンティングする人の特徴
- マウンティングに隠された心理
- マウンティングしてくる兄弟への対処法
- 良好な兄弟関係を保つためのコツ
兄弟間でマウンティングする人の心理とは?
兄や弟から「お前、まだそんな仕事してるの?」「俺の方が給料高いし」「僕の方が先に結婚できちゃったね」などマウンティングされると、「どうしてわざわざマウンティングしてくるの?」とモヤモヤしてしまいますよね。実は、その裏にはあなたに対する競争心や劣等感が隠れていることが多いのです。
競争心と承認欲求の暴走
兄弟は幼いころから何かと比較されがちです。親や先生、親戚から「お兄ちゃんはしっかり者なのに」「弟の方がすごいね」などのように比較された経験はありませんか? こうした言葉は、無意識のうちに「兄弟のどちらが優れているか」を意識させる要因になります。幼い頃からの積み重ねが、大人になっても「負けたくない!」という感情として残ることも。。
比較のされ方によっては、自己肯定感や自尊心の低下を招きます。そうすると、安心感や他者からの評価が欲しくなってきますよね。「俺の方がすごい」「僕のことを見てほしい」とアピールすることで安心しようとするのが、マウンティングの正体のケースもあるでしょう。
劣等感の裏返し「本当は自信がない」
「自分に自信があるからマウンティングする」と思いがちですが、実は逆のことが少なくありません。むしろ、劣等感を抱えている人ほどマウンティングに走りがちなのです。そして劣等感とは、人によってさまざまであることも、兄弟関係を複雑にしている要因でもあります。
たとえば厳しくしつけられてきた兄は「弟は自由に生きていて羨ましい」と思っているかもしれませんし、放任主義で育てられた弟は「兄のばかり親から認められてきた」と感じているかもしれません。それぞれが不満や不安を抱えており、兄弟に対して劣等感が芽生えていることは多いでしょう。

「カイン・コンプレックス」って知ってる?
兄弟間の嫉妬や劣等感は「カイン・コンプレックス」と呼ばれることがあります。これは、旧約聖書の「カインとアベル」の物語に由来しています。神に認められた弟アベルに対し、兄のカインが嫉妬し、最終的には弟を殺してしまうという悲劇です。人類最初の殺人を描いた物語とも言われており、嫉妬がひとつのテーマにもなっています。
聖書に書かれたお話しではありますが、現代の兄弟関係にも似たような心理が見られることがあり、心理学ではカイン・コンプレックスとして研究されています。
カイン・コンプレックスの特徴
カイン・コンプレックスは、兄弟間の嫉妬や競争などを指します。下記のような心理は、カイン・コンプレックスの例です。
- 兄が弟に嫉妬し、攻撃的になる
- 弟が兄に対抗心を燃やし、負かそうとする
- どちらかが成功すると、もう一方が焦りを感じる
こうした心理が強いと、些細なことでマウンティングが発生しやすくなるでしょう。
兄弟にマウンティングされたときの対処法
兄弟のマウンティングには、比較された経験や嫉妬、競争心などが影響していることを説明してきました。実際に兄や弟からマウンティングされていると、ストレスが溜まる一方ですよね。マウンティングされたときは「まともに相手をしない」ことが一番の対策です。具体的にどのように対応すればいいのか、見ていきましょう。
受け流す(スルースキルを活用)
マウンティングの目的は、「自分の優位性をアピールすること」です。相手が何か言ってきても、まともに取り合わなくても、アピールさえできていれば満足するタイプもいます。
具体的には、マウンティングに対して「へぇ~、そうなんだね」と興味なさそうにすることです。悔しがったり、否定しようとすると相手もムキになります。
褒める(承認欲求を満たす)
マウンティングする人は「認められたい」という願望が強いケースもあります。ですので相手を褒めてみましょう。「また出世したから、ますます年収の差がついたな~」とマウンティングされた場合、「いつも仕事に向き合っていたもんね。努力の成果が出たんだよ」と、兄弟の努力やプロセスを認め、褒めてみてください。
相手は「満たされた」と感じることができ、メンタルが安定に向かいます。マウンティングがヒートアップする可能性もありますが、褒めるうちに相手の良いところや頑張っているところに目が向き、褒めることが苦痛ではなくなっていくかもしれませんよ。
冷静に距離を取る
兄弟のマウンティングがあまりにもひどい場合は、距離を取ることも選択肢のひとつです。
- 物理的に会う回数を減らす
- やり取りを最小限にする
- 必要以上に深い話をしない
こうした対策を取ることで、精神的な負担を減らせます。会う回数を減らすために、帰省の時期をずらすなどの工夫をしてみましょう。SNSでのやり取りも心の負担の原因かもしれません。また、コミュニケーションをするときは、収入などの深い話は家族といえど控えめに! 昇進、収入、出産、家族の受験や就職などは、マウンティング癖のある人を敏感にさせてしまいます。
兄弟仲を良好にするためのコツ
兄弟は他人とは違って切っても切れない仲ですよね。「マウンティングされるのは嫌だけど、家族関係が悪化するのも困る」とお悩みの場合、兄弟関係を良くする方法を実践してみましょう。
過去のわだかまりを整理する
親や親戚の接し方など、子どもの頃の出来事が今でも影響しているかもしれません。思い切って兄弟間で話し合ってみる、という方法もあります。 何を感じているのかを共有することで「そんな風に感じていたんだ」と、歩み寄りにつながることも。
ただし、ケンカや言い争いに発展するリスクも考えられます。無理に聞き出そうとはせずに、相手のコンディションやスケジュールに配慮しましょう。
兄弟の「良いところ」に目を向ける
相手の嫌な部分にばかり注目すると、関係はどんどん悪くなります。兄弟の良いところ探しをしてみましょう。「兄は責任感がある」「弟は行動力がある」とポジティブな面に目を向けると、少しずつではありますが印象は変わってくるはず。
親との関係性を考えてみる
兄弟間のトラブルの原因は、親にあるケースも少なくありません。親が兄弟のどちらか一方に厳しい、あるいは甘すぎるなど親子関係に問題があることも。問題を引き起こした犯人探しをするというよりは、兄弟間で完結できない問題であることも考慮しつつ、お互いの関係性を捉え直してみましょう。

まとめ:マウンティングに振り回されず、良好な関係を築こう
兄弟間のマウンティングは、競争心や劣等感が関係していることが多いもの。切手は切れない仲だからこそ困ってしまうものですが、適切に対処すればストレスを減らすことができます。兄弟は長い付き合いになりますので、お互いにとって心地よい関係を構築できるように工夫してみてくださいね。
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