やらなくちゃいけない仕事があるのに「いつかやろう」「まだ大丈夫」と先延ばし癖がある人はいませんか? この記事では先延ばし癖がある人の特徴、タスク管理やスケジュール管理のコツ、大人のADHD・うつ病との関連性について解説します。先延ばし癖は放置すると社会的信用やキャリアプランに影響しますので、記事を見ながら克服法を考えていきましょう。
- この記事でわかること
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- 先延ばし癖が招く仕事のトラブル
- 先延ばし癖を改善するためのポイント
- 大人のADHDが先延ばしの原因かもしれない理由
- やる気や集中力低下とうつ病の関係性
仕事の先延ばし癖がある人の特徴
やらなくちゃいけないとわかっていても、つい仕事を先延ばししてしまう人はいますよね。仕事の先延ばしが癖になっている人には、次のような特徴が見られます。
- 仕事を先延ばしにする人の特徴
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- どんどん仕事が溜まっていく
- 仕事を依頼してきた人を待たせてしまう
- 仕事のやりこぼしが多い
- 完璧主義で、ひとつひとつの仕事に時間がかかる
- 断ることができず、仕事を抱えがち
- タスク管理やスケジュール管理が苦手
- 締め切りギリギリまで動き出せない
- 集中力が続かず、仕事が終わらない
- 嫌なことや面倒なことは見て見ぬふりをしてしまう
- 仕事の進め方について人と相談するのが苦手
当てはまる項目が多い人は、普段の仕事で先延ばしをしていることはありませんか? 仕事を先延ばしすることが多いと、仕事に支障を来たしかねません。
仕事の先延ばし癖が信頼低下や法律トラブルを招く?!
仕事を先延ばししてばかりいると、職場の人間関係のトラブルを招くことがあります。
- 先延ばし癖が招く職場のトラブル
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- 「依頼したのに仕事をしていないじゃないか!」と信頼を失う
- 経費請求など期限厳守の業務で周囲に迷惑をかける
- 商品のリリースに間に合わないなど、会社に損害を与える
- 先延ばしが契約不履行など法律トラブルに発展することもある
先延ばし癖は周囲からの信頼低下を招きます。自分では「あとでも大丈夫」と考えていても、周囲の人や取引先からすると期限が重要事項であることは少なくありません。
仕事は契約に則って進めていくことがほとんどですが、契約書には債務が記載されており、納品期日や支払いスケジュールが明記されています。特段の事情もないのに先延ばしにしていると、債務不履行で訴えられるリスクも発生するでしょう。
仕事の先延ばし癖を克服する方法
先延ばし癖はご自身の信頼問題だけでなく、会社の信頼や利益にも関わってきます。先延ばし癖を放置していると社内の評価が下がり、昇進や昇給に影響を与えることも。先延ばし癖を原因として会社に損害を与えた場合、減給などが発生するリスクも考えられます。
今後のキャリアプランのためにもマネープランのためにも、先延ばし癖は改善していきましょう。下記で紹介する方法で、先延ばし癖を克服してみてください。
タスクを細分化してみる
先延ばし癖がある人は、仕事を依頼されたときに「よくわからない仕事だから後回しにしよう」「どこから手をつけていいかわからない」と感じることが多いのではないでしょうか。
仕事を依頼されたときは、締め切りやボリュームを把握し、タスクを細分化してみましょう。たとえば「明後日までにプレゼン資料を作成してほしい」と依頼された場合、タスクを細分化していくと、プレゼンの内容確認、データ収集、文章作成、プレゼン作成、誤字・脱字チェック、依頼者への連絡など、小さなステップがたくさんありますよね。
こうした小さなステップを少しずつ進めていくイメージを持ちましょう。するとタスクのひとつひとつがくっきり見えてきて、着手しやすくなります。
仕事に必要な時間をイメージする
タスクを細分化したときに、ひとつひとつのタスクにかかる時間をイメージできると便利ですよね。そのためには、普段から仕事をするときに業務完了までにかかる時間を意識しておくのがおすすめです。
自分が仕事をするとき、データ収集に時間がかかるタイプなのか、文書作成はスムーズに進められるタイプなのか、ご自身の傾向がわかってくるとタスク管理しやすくなります。
2段階の締め切りを設定する
先延ばし癖がある人は、締め切りを2段階で設定するようにしましょう。「明後日の夕方までにお願い!」と言われた仕事の場合、依頼された期日より前に、自分自身でも締め切りを設定します。
本来の締め切りよりも余裕を持って締め切りを設定することで、見直しをする余裕が生まれ、仕事のクオリティが上がるなどのメリットを得られます。
自分のこだわりだけでなく、周囲の要望に耳を傾ける
完璧主義を原因とする先延ばし癖がある場合、周囲の人の意見や要望に耳を傾けることを心がけましょう。自分にとっての完璧が、他人にとっての完璧と100%一致するとは限りません。
人の意見に耳を傾けることで効率的な仕事の進め方を知ることができたり、自分では完璧だと思っていたことが押し付けになっていたことに気づくことができたりします。
先延ばし癖は大人のADHDかも?相談先はどこ?
先延ばし癖のせいで仕事がうまくいかない、職場の人間関係に悩んでいるという人は、ADHDが原因の可能性があります。ADHD(注意欠如・多動症)とは、不注意や多動・衝動性などが見られる発達障害です。
- ADHDの診断基準(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット)
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- 「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動・衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
- 症状のいくつかが12歳以前より認められること
- 2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと
大人のADHDの場合は、医療機関を受診して薬物療法を受けることも可能ですが、医療機関以外のカウンセリングやトレーニングを受けることで、困りごとが改善するケースもあります。スケジュール管理が苦手な人や悪気はないのに約束を破ってしまう人、仕事への集中力が続かない人は、医療機関や専門機関に相談してみてはいかがでしょう。
職場環境の音や光などが気になって仕事に集中できない場合、仕事中にヘッドフォンや耳栓を使用していいか、パーテーションを使用してもいいかなど、上司に相談してください。発達障害では感覚過敏という特性が見られるケースもあり、工夫をすることで集中しやすい職場環境づくりが可能になります。
ADHDの先延ばし癖についてもっと知りたい!
ADHDの先延ばし癖の特性についてもっと知りたいという人は、こちらのサイトも参考にしてくださいね。先延ばしをする原因や克服法を紹介しています。
▼ 😀 commu(でぃーこみゅ)「ADHDの「先延ばしクセ」の原因と乗り越える方法は?」
仕事の先延ばしはうつ病のサイン?
やらなければいけない仕事があるとわかっていても、どうしても先延ばしにしてしまうという人は、先延ばしがうつ病のサインかもしれません。うつ状態では意欲や集中力が低下することもあります。これまでは興味を持てていたことに関心を抱けなくなるなど、性格が変わったかのようになる人もいます。
うつ病に関する研究によると、うつ病の人の脳内では神経細胞の情報伝達にトラブルが生じていることが報告されています。脳の中ではたくさんの情報が神経伝達物質によって伝達されます。「セロトニン」や「ノルアドレナリン」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。セロトニンやノルアドレナリンは、人の感情に関する情報を伝達する物質です。うつ病の人の脳内では、セロトニンやノルアドレナリンの分泌が少なくなっていることがあります。
以前は仕事をスケジュール通りに進められていた人で、先延ばし癖が出るようになって困っている場合、うつ病の可能性が考えられるでしょう。うつ病かもしれないと思ったら、心療内科や精神科を受診するのが安心です。
うつ病の治療では症状などを考慮して、休養、薬物療法、精神療法・カウンセリングなどの治療法を検討していきます。
おわりに:先延ばし癖を克服して仕事のトラブルを回避しよう!
仕事を先延ばしにしてばかりいると、さまざまなデメリットを招くことがあります。ちょっとした意識付けや習慣付けをしてみることで、タスクをこなしやすくなりますよ。ADHDやうつ病かもしれないと思ったら、病院や専門機関に相談してくださいね。
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