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発達障害・自律神経失調症・HSPに向いている仕事って?

発達障害・HSP・自律神経失調症の人ができそうないろいろな職業 キャリアアップ・求職
この記事は約9分で読めます。

ストレスや悩みを抱え、「生きづらさ」を感じる社会人は多いものです。特に発達障害や自律神経失調症、HSPの人は仕事でつらい気持ちが蓄積することも。

今回は発達障害、自律神経失調症、HSPの人達が特性をポジティブに活かし、長く働き続けやすい仕事を紹介していきます。

この記事でわかること
  • 適性が合わない仕事に就くデメリット
  • 発達障害の種類や特性と向いている仕事
  • 自律神経失調症の症状と雇用の種類
  • 仕事のストレスがHSPに及ぼす悪影響
  • 理解しておきたい一般雇用と障害者雇用の違い
  • キャリアコンサルタントへの相談費用や内容

生きづらさを感じている人は仕事がつらい?

世の中には、さまざまな仕事がありますよね。人前に立ってプレゼンや接客をする仕事、人との会話をせず黙々と作業をする仕事など、多様な仕事をそれぞれ担う人がいるからこそ、社会は成り立っています。

そして仕事で能力を発揮し、やりがいを感じられるかどうかは、本人が持つ仕事への適性によるところが大きいとされます。

仕事の適性とは
一般的にはその人が得意とする分野、保有する才能や性質

同じ仕事内容であっても、得意なことを活かせるならば素晴らしいものに、その仕事が不得意ならば辛いものに感じられるというわけです。大なり小なり、誰にでも得意・不得意な分野はありますので、仕事は辛いこともあれば楽しいこともあるという人が多いでしょう。

しかし生きづらさを感じやすい発達障害、自律神経失調症、HSPの特性を持つ人の場合、その得意・不得意の差が大きく、仕事に対しても深く悩む傾向が見られるのです。

仕事の悩みが積み重なると、休職や退職を選択せざる得ないこともありますよね。しかし安定した生活を送るためには、長続きする仕事を見つけるのがおすすめです。

生きづらさを感じる人が適性の合う仕事に就くにはどんな方法があるか、次章から紹介していきます。

発達障害の種類や特性って?

生まれつき脳の発達の仕方が他の人と異なるために、脳の働きに大きな偏りが見られる状態を発達障害と言います。

育て方や心理的な要因ではなく、生まれ持った身体的特徴であるため、薬などで完治させることは難しいといえます。発達障害の分類は、以下の通りです。

自閉スペクトラム
広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群など
注意欠如・多動性障害(ADHD)
多動性、衝動性、不注意などが現れる
学習障害(LD)
知的発達の遅れがないのに、特定分野の学習が非常に難しい

発達障害の人は周囲の理解を得ることが大切です。自身の障害の特性からくる以下のような症状との上手な付き合い方を身につけることがポイントになります。

発達障害の人に現れやすい症状
  • 自分の興味のあること、自分の世界に極度に集中してしまう
  • 表情や声色から相手の意図、感情を読み取れずトラブルになる
  • 指示や注意の意味を理解できない
  • 衝動的に行動してしまう
  • 仕事や課題の期限を守れない
  • 注意散漫になりやすく、忘れ物やミスが多い
  • 読み書きや計算など、特定の分野が得意・または不得意  など

ただ、症状が現れ始める幼少期など、早期に「療育」と呼ばれる教育を受ければ、症状をコントロールし、円滑に社会生活を営めるだけのスキルを獲得できることがわかっています。

発達障害であると気付かないまま大人になった人は、周囲と自信との違いから生きづらさを感じ、人生に深く思い悩む傾向が見られます。

全体的に他者とのコミュニケーションが難しく、一方で高い集中力を有する発達障害の人には、以下のような仕事が向いていると言えるでしょう。

発達障害の人に向いている仕事

自閉スペクトラムの場合
デザイナー、エンジニア、エンジニアアナリスト、研究者、校正・校閲担当者
注意欠如・多動性障害
デザイナー、広告やゲームのプランナーなど、独創性が必要なクリエイター
学習障害
Excelを使った計算業務のある経理、コピー&ペーストを多用するデータ入力業務など苦手をツールで補える職種、広告業界、クリエイター

発達障害は「一般枠雇用」と「障害者雇用枠」を選べる?

精神障害者に該当する発達障害の人は、一般雇用とは別に障害者雇用枠で就職することもできます。

一般雇用

障害の有無にかかわらず、他の人と同条件で雇用される雇用形態です。
発達障害であることを伝えても、伝えなくても採用してもらえる可能性があり、企業側に発達障害について伝えるかどうかは本人の判断にゆだねられます。
豊富な求人のなかから就業希望先を選べる一方、勤務中に障害特性への配慮が受けられにくくなるため、業務内容や社内の雰囲気によっては続けられない可能性が生じることに注意。

障害者雇用

周囲の人達から障害特性への配慮を受けることを前提に、雇用してもらう雇用形態です。

障害者手帳を取得したうえ、発達障害であることを企業側に伝える必要があります。特性に応じた業務内容や労働時間への配慮を受けられるので無理なく働ける場合が多いでしょう。
ただし障害者雇用という特殊な採用枠であるため、応募できる求人数が一般雇用に比べ圧倒的に少なく、アルバイトなど非正規雇用からのスタートになる場合もあります。

どちらの雇用条件での就業にもメリット・デメリットがありますので、雇用形態の特徴をよく理解したうえで、どちらでの雇用を望むか選んでくださいね。

自律神経失調症の症状や仕事への影響

私たちの体は緊張状態を司る交感神経、リラックスした状態を司る副交感神経から成る自律神経の働きにより、無意識のうちに生存活動を続けています。

しかし自律神経神経の働きやバランスが乱れると自律神経失調症を発症し、心身に以下のような不調を引き起こします。これが、自律神経失調症のメカニズムです。

自律神経失調症の症状
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 息切れや動悸
  • 手足のしびれ
  • めまい
  • 頭痛や頭重感
  • 微熱
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 肩こり  など

ただし、自律神経失調症という医学的な病名はありません。血液検査等の一般的な検査で明確な数値として症状が現れたり、特定の原因を持つものではないため、周囲からの理解が得にくい病気と言われています。

そのときの体調や天候などにより症状の現れ方や程度が変化するため、就労先には症状への理解が求められます。

自律神経失調症の人が、体調と向き合いながら続けやすい仕事としては、以下が挙げられるでしょう。

自律神経失調症の人に向いている仕事

  • 勤務時間や勤務体系が柔軟な、Web業界などのクリエイター、IT業界のエンジニア
  • 周囲からの理解やサポートを得やすい、医療関係の仕事
  • その日の調子により労働の時間、環境を調整しやすい福利厚生のしっかりした企業の職員
  • 社員数が多く、急な不調や欠勤が出てもカバーしてもらえる企業の職員

なお自律神経失調症の人も、発達障害の人と同様、病気や症状をオープンにすることで一般雇用に加え障害者雇用枠への応募が可能です。

続けやすい仕事や職場環境などの情報と合わせて、知っておきましょう。

繊細なHSPの特徴や性格って?

HSPは近年になってから発見された気質で、非常に感受性が強く敏感な人を指します。

「Highly Sensitive Person」の頭文字をとった言葉で、日本語では「高度な感覚処理感受性」などと訳されます。

病気というよりはその人が生まれ持った気質、性格的な側面のことであり、疾患や症状を指す言葉ではありません。

HSPの人には、以下の特性が良く見られます。

HSPの人に見られる特徴
  • 興味のあることはとことん突き詰め、物事をじっくり考える
  • 1を聞けば、10のことを想像できるほど頭の回転が速い
  • うわべだけの言葉を見抜いてしまうため、人と話すと気疲れする
  • 他者に些細なしぐさ、言動に敏感に反応して傷ついたり、不機嫌になる
  • 人混みや大きな音、強い光が極端に苦手で、ストレスに感じてしまう
  • 冷蔵庫の音や時計の秒針などによる生活音、匂いに敏感
  • 感情移入しやすく、芸術作品に感動したり、他者に共感して涙を流すことが多い

上記がHSPの人が持つ特徴です。HSPの強みは、共感能力の高さや細やかな気配りの能力、思慮深さや感受性の豊かさが挙げられますね。

これらの長所を仕事で活かすことを考えると、HSPの人に向いている仕事は以下のようなものがあるでしょう。

HSPに向いている仕事

  • 人に向き合い、サポートする医療関係職やセラピスト
  • 細やかな配慮、気づきの能力が求められる動物や植物を相手にする仕事
  • ライン工や経理など、地道で丁寧、かつ正確さが求められる仕事
  • 繊細さと丁寧さが求められる、エンジニアなどIT・Web関係の仕事
  • デザイナーやアーティストなど、0から1を作るクリエイティブな仕事
  • 他者との交流が少なく、静かな環境で働ける清掃員や警備員、在宅ワーカー など

HSPの人が向いていない仕事に就くと、心身に疲労が蓄積され不眠や気分の落ち込み、不安などの症状を伴う適応障害やうつ病になるリスクが高くなります。

合わない環境で無理をすると、その後数年にわたり働けなくなるかもしれません。

選択肢はたくさんありますから、くれぐれも無理をせず、自分の特性や適性に合った仕事を探してくださいね。

就職の悩みはキャリアコンサルタントに相談!料金の目安は?

自身の適性・特性に配慮した仕事選びに悩んだらキャリアコンサルタントに相談するのもおすすめでしょう。

キャリアコンサルタントとは職業能力開発促進法により定められた国家資格保有者です。労働者の職業選択や職業生活設計、または職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言や指導を行う専門職です。

キャリアコンサルタントの多くは企業・組織内や、人材派遣や職業紹介をする会社・公的機関、大学などの教育機関に在籍しています。

個人でキャリアコンサルタントに相談を依頼する場合の費用目安は、1時間あたり6,000~13,000円と言われています。

通っている大学や、就職・転職をサポートする企業や組織では無料で相談に応じてもらえることもあるようです。

あなたの住まいや相談内容、経済状況にあわせ相談に乗ってもらえそうなキャリアコンサルタントを探してみてください。

おわりに:自分の特性、適性に合った仕事を選べば発達障害・自律神経失調症・HSPの生きづらさは軽減できる

人は自身の得意を活かし、働くことで仕事にやりがいを感じられるようになります。これはどんな人にも共通していて、発達障害や自律神経失調症、HSPなど周囲から理解を得にくい持病や特性を持つ人でも同じです。自身の特性を理解し、適性に合わせた仕事に就けば、生きづらさが軽減され、やりがいを持って働けるようになるでしょう。まずは自身の特性・適性をよく理解したうえで無理なく働ける仕事について考えてみてください。

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