「仕事のミスが増えている」「いつもより元気がない」「明らかに疲れている」後輩のこうした変化に気づいたとき、先輩としてどう接するべきか迷うことはありませんか? メンタル不調は、誰にでも起こり得るもの。身近な先輩として後輩のためにできることはあるのでしょうか? この記事では、後輩のメンタル不調のサインや、先輩としての適切な対応、絶対に避けるべきNG行動について詳しく解説します。
- この記事でわかること
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- メンタルが不調なときの特徴
- 職場の後輩との適切な距離感
- ハラスメント加害者にならないための予防策
- 職場で信頼される先輩の振る舞い
後輩のメンタル不調を示すサインとは?
先輩という立場になって後輩に指導することも増えたとき、「最近、後輩の様子がおかしい…?」と心配になることもあるでしょう。そんなとき、同じ職場の先輩としてどうすればいいのでしょう。メンタル不調と一口に言っても、その兆候は人によって異なります。ただし、以下のような変化が見られる場合は、注意が必要かもしれません。
表情や態度のサイン
メンタルが不調なときは、表情や態度に次のようなサインが見られることがあります。
- メンタル不調のサイン
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- 笑顔が減り、無表情になる
- ため息が増える
- 急にイライラしやすくなった
行動や仕事のサイン
人によっては、行動や仕事ぶりに変化が見られることも。次のようなサインが見られたら、後輩のメンタルに異変が起きているかもしれません。
- メンタル不調のサイン
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- 遅刻や欠勤が増える
- 仕事のミスが増加する
- 報連相(報告・連絡・相談)が減る
- 会話を避けるようになる
体調のサイン
メンタルの不調は、体の不調を引き起こすことも少なくありません。次のようなサインが見られたら、後輩の様子を気にかけてみてください。
- メンタル不調のサイン
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- 食欲がなくなる、逆に暴飲暴食をする
- 眠れない
- 日中に眠そうにしている
- 肩こりや頭痛などを頻繁に訴える
もし、後輩にこれらのサインが見られる場合は、「ただの疲れ」ではなく、メンタルに負担がかかっている可能性があります。
先輩として、後輩のメンタルを気遣うべき?
後輩のメンタルを気にかけることは、チームやあなた自身のためにもなることといえます。後輩がメンタル不調を抱えたまま働くと業務のパフォーマンスが低下し、チーム全体の負担が増える可能性もあります。後輩のことが心配だと、ご自身も仕事に集中しづらくなるでしょう。そうなる前に、先輩としてできるサポートを考えることが大切です。
ただし、職場の先輩としてどの程度気遣いをするべきかは迷うところですよね。超えてはいけない一線や注意すべきポイントを抑えながら、適切に接していきましょう。
メンタル不調な後輩に「絶対にやってはいけないこと」
メンタル不調気味の後輩のためを思って行動しても、 かえって状況を悪化させてしまうNG対応 もあります。以下のような言動は避けましょう。
精神論を押しつける
「気合で乗り切れ」「根性があればできる!」「甘えるな」と、後輩に精神論を説くのはおすすめできません。メンタル不調は「怠け」ではなく心と体のSOSです。無理を強いるのは逆効果ですし、会社の体制や仕事の配分に問題がある場合、責任転嫁にもなってしまいます。
「みんな頑張ってるんだから」と比較する
メンタル不調は、本人も辛い状況であることがほとんどです。自分でも何とかしたいと思っているときに、他の人と比べられることで精神がさらに追い詰められることも。
「大丈夫?」と何度もしつこく聞く
やさしい先輩や世話好きな先輩にありがちなのが、過剰な気遣いです。心配する気持ちは大切ですが、相手にプレッシャーを与えてしまうこともあります。
勝手に上司や人事に報告する
後輩からメンタル不調について相談されたとき、本人の許可なくメンタル不調を周囲に伝えるのは、信頼を損なうリスクがあります。「上司にも相談していいかな?」など、本人の意向を確認しましょう。
メンタル不調の後輩がいたらどうするのが適切?
身近な後輩がメンタルの不調に苦しんでいるとき、先輩としてどのように接するのが理想的なのでしょう。例を紹介しますので、後輩の個性や職場の状況などを考慮しつつ試してみてくださいね。
「話しやすい環境」をつくる
メンタルの不調は、なかなか相談しづらいと感じる人も少なくありません。後輩が相談しやすい雰囲気をつくることが大切です。「大丈夫?」という声掛けはダメではありませんが、「大丈夫です」「はい」と返されて発展しないことも。
心配な後輩がいたら「最近どう?」と自然に声をかけてみてください。「はい/いいえ」で答えられる質問でない分、会話のきっかけになり、後輩が心を打ち明けやすくなります。
雑談の時間を増やす
メンタルの不調に陥っていると、つい根を詰め過ぎる人もいます。業務以外のちょっとした話をすることで、相談しやすい関係を築けます。
「無理しなくていいよ」と伝える
メンタル不調のときは、「もっと頑張らなきゃ」と自分で自分を追い詰めているケースもあります。「休んでもいい」「一人で抱え込まなくていい」というメッセージを伝えてみましょう。
「自分も同じような時期があったよ」
メンタル不調の後輩は、「自分はダメだ」と孤独を感じているかもしれません。先輩として失敗やうまくいかなかった経験を共有すると、後輩も安心しやすいはず。後輩に寄り添う姿勢を見せていきましょう。
必要なら専門家や上司につなげる
後輩のメンタル不調が深刻で「このままでは危ない」と感じたら、本人の意思を尊重しつつ、信頼できる上司や人事部に相談することを促す、というアプローチもあります。「無理しすぎないでね。私に話しづらいことがあれば、信頼できる人に相談してみるという方法もあるよ」「産業医やカウンセラーに相談してみるのもいいと思うよ」など、無理強いせずに選択肢を広げるイメージで話してみましょう。
あなた自身も無理をしない
後輩をサポートする立場の先輩も、ストレスを抱えすぎないよう注意が必要です。共感力が高い人、他人を優先し過ぎる人は、メンタル不調の人に引きずられてご自身も落ち込んでいくケースもあります。自分のメンタルも大切にすることを忘れずに!
まとめ:無理に解決しようとせず、寄り添う姿勢が大切
後輩のメンタル不調に気づいたとき、先輩としてできることがある一方で 「自分が何とかしなきゃ」と背負い込む必要はありません。後輩にとって気軽に話せる先輩の存在は、思っている以上に心強いものです。焦らずにできる範囲でサポートしていきましょう!
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