ドラマや映画で登場人物が記憶喪失に陥るストーリーがありますが、現実でも記憶に異変が起きることがあるのをご存知ですか? 何らかの原因で記憶を思い出せない・新しい情報を覚えることができない状態を「記憶障害」といいます。この記事では記憶障害の原因や予防法を解説します。
- この記事でわかること
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- 記憶喪失は現実でも起こるのか
- 記憶障害とは
- 加齢による記憶力の低下の予防法
- ストレスが心身に与えるデメリット
記憶喪失とは?「記憶障害」との違いは?
記憶喪失とは、何らかの原因で「知っているはずの人やものを思い出せない」「記憶がおぼろげではっきりしない」といった状態を指します。記憶喪失は症状を指す言葉ではありませんが、「記憶障害」は脳や神経に関する症状を指す言葉です。
ドラマだけじゃない!記憶障害が起こる原因
身の回りでは記憶障害を実際に起こした人を見たことがない、という人もいるでしょう。ところが記憶障害はさまざまな原因から発症することがあります。
記憶障害を起こす原因の例を紹介します。
高次脳機能障害
高次脳機能障害とは、ケガや病気によって脳に損傷が起きることです。交通事故による損傷、脳卒中や感染症などが原因です。高次脳機能障害では、事故や病気以降の新しい情報を覚えられなくなるケースもあれば、事故や病気以前の記憶を思い出せなくなるケースもあります。
一過性健忘
一過性健忘とは、外傷がないのに一時的な記憶障害が起こる症状です。「なぜここにいるんだろう」「今さっきまで何をしていたんだっけ」と、ごく身近な行動に関する記憶を思い出せないケースが多いです。一般的には24時間以内に回復しますが、重大な病気のサインである可能性もあります。
ストレス
強いストレスがかかっていると、脳内で情報を貯めたり、インプットした情報を呼び出す働きがスムーズに進まないこともあります。
うつ病
うつ病の患者さんが記憶障害に悩むこともあります。ただし、うつ病の場合は気分の落ち込みや睡眠障害など、記憶障害以外の症状の方が強くあらわれることが一般的です。
加齢
人は年齢を重ねると、記憶力が低下します。これは誰にでも起こるもので、日常生活を送ることにはほとんど問題ない範囲の記憶力の低下です。
認知症
認知症の患者さんは、記憶障害を発症することが多いです。加齢に伴う記憶力の低下と比較すると症状は深刻で頻度も高く、記憶障害を発症していることを本人が認識できないケースも少なくありません。
記憶障害は治る?記憶は戻らない?
現代の医療では、記憶障害が回復するかどうかは原因によって異なります。たとえばうつ病による記憶障害では、薬や認知療法などの治療で症状が回復する見込みもあるでしょう。一方で、高次脳機能障害や認知症は治療が難しい疾患です。
記憶障害は一度発症するとなかなか回復が難しい、という側面があります。ただし、ストレスや加齢による記憶力の低下はセルフケアによる予防が期待できます。
記憶障害の予防はストレス対処とアンチエイジングが鍵!
記憶障害を予防するには、ストレス対処とアンチエイジングに取り組むのがおすすめです。
ストレスはこまめに発散する
ストレスはこまめに発散することが大切です。ストレスが蓄積すると、それだけ心身への負担も大きくなります。休息をとったりリフレッシュをしたり、日常にストレス発散を取り入れましょう。
質の良い睡眠
睡眠不足の状態では、体内でストレス物質が増加します。すると心と体に異変が生じるリスクが高まります。質の良い睡眠は心身の疲労を回復しますので、睡眠環境を整えましょう。寝室や寝具を整えたり、寝る前にスマホを見ないなど、ちょっとした取り組みでも睡眠の質は変わってきますよ。
生活習慣病を予防する
生活習慣病は、認知症との関連性があることがわかっています。生活習慣病とは、糖尿病、高血圧、肥満、脳卒中、脂質異常症です。特に中年期(45~64歳)の生活習慣病は認知症のリスクを高めると考えられています。
有酸素運動の習慣化
有酸素運動は認知症の予防・改善に効果があることが研究結果で示されています。ウォーキングや水泳、軽めのジョギングなどの有酸素運動を習慣化するのがおすすめですよ。
EPA・DHAを摂取する
EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)とは、n-3系脂肪酸です。青魚の脂に多く含まれており、健康効果を持つ栄養分として知られるようになりました。EPAとDHAは記憶力の維持にも役立ちますので、食生活に取り入れていきましょう。
おわりに:記憶力の低下を防いでいつまでも元気に♪
記憶障害はドラマの中だけでなく、誰にでも起こり得るもの。中でもストレスと加齢による記憶力の低下は、セルフケアで予防・改善が見込めます。今回紹介した方法も参考にしながら、いつまでも元気な心と体をキープしていきましょう。
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